100円で買ったレコードを1000円で売って収益を上げるには



レコード店をやってみたい方には気になる話題ではないでしょうか。

100円で買って1000円で売るレコードは儲からない
で書いたように当店の方法では利益は微々たる物です。

この方法でどうやって収益を上げていくべきか考えてみましょう。
この場合では原価と売値が決まっているので一商品あたりの利益を増やすには諸経費を削っていくしかありません。

航空便でレコードを送ると概ね1枚あたり140円〜180円くらいの費用がかかりますので、送付を船便にしましょう、そして通関は自分で行いましょう。そうすれば送料は少なくとも80円までは落とせると思います。
10,000枚送付すれば40円以下落とせます。

レコードショウを2つ挟んだ12日間の買付滞在費はフライト代金、レンタカー代、ホテル代合わせて約30万円。
購入枚数700枚、滞在費を買付枚数で割ると1枚あたり428円の経費がかかっていることになります。
購入枚数が多ければ1枚当たりの経費は少なくなります。
そう考えれば少なくとも2000枚、できれば3000枚は必要です。
2,000枚購入すれば、1枚当たりの経費は150円になります。

到着した商品は当然グレーディングしてから値段をつけます。時給900円のアルバイトを使って6分で1枚処理するとして1枚当たり90円の経費がかかります。
グレーディングは見た目のみにします。本当に駄目そうな物をぬくだけです。そうすれば1時間で100枚くらいはできそうです。1枚当たり9円です。
すべて1000円ですので商品に値段をつける必要もありません。

通常ですとビニールの内袋、外袋をつけますが経費の節約のためビニール袋はつけません。

店舗の維持費が概ね25万円、6000枚の在庫があるとすると1ヶ月あたり41円の経費がかかります。
在庫数でその経費は変わってきますが今回はそのまま計算します。

さあ合計がどのくらいになるのか計算してみましょう。

商品:100円
送料:80円
商品枚数2,000枚/買付滞在費30万円 150円
店舗在庫1ヶ月あたり 41円
グレーディング費用 9円
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合計380円

元と比べてみましょう

商品:100円
送料:160円
商品枚数700枚/買付滞在費30万円 428円
店舗在庫1ヶ月あたり 41円
グレーディング費用 90円
内袋・外袋代 25円
——————————————————
合計844円

1枚当たり464円ほど経費を浮かすことができました。

すべてを合わせて計算しましょう。

仕入れ2000枚、@100 200,000円
送料 160,000円
買付滞在費 300,000円
店舗維持費 250,000円
——————————————————
合計 910,000円
(1ヶ月以内に)すべて販売すれば
2,000,000円
——————————————————
利益 1,090,000円

ここまでは机上の空論、夢のような話です。
できるわけありません。

もう少し考えてみましょう。
すべてのレコードを1000円で売るなんていうことはまずできません。
傷盤も入っているでしょうから価格も若干幅を持たせて500円〜にする。
当然レア盤も入っているでしょうからそれはそれなりの価格にしましょう。
仕入れでロット買いを増やして100円より更に安く購入、若干珍しい物も必要ですのでそれはそれなりの価格で購入します。
2000枚を1ヶ月で売ることはまず不可能ですので、最低3000枚購入で最低1200枚、できれば1500枚を1ヶ月で売る。
(新入荷以外に少なくとも3000枚以上の在庫は必要だと思います)

想像にはなりますがこんな感じで経営しているのが下北沢にあるフラッシュ・ディスク・ランチではないでしょうか。
そうするとなんとなくやっていけそうな気がしませんか?

次回は「1000円でレコードを売るような格安店を成功させるには」です。

追記: 税金他の諸経費を除くけど送料は10000枚だと船便で1枚当たり20円位まで落とせるよとフラッシュ・ディスク・ランチの椿さんに教えて頂きました。
ありがとうございます。

サボテンレコードのネット・ショップはこちらから
ブログ 『レコード店を考えてみる』 はこちらから

100円で買って1000円で売るレコードは儲からない


ホントに儲からないの、本当なの!?と思う方も多いとは思います。
でも儲からないですよ。ホントに。
Business Media 誠の『中古レコードの「バイヤー」って何をしているの? 買い付け・値付けの奥深さ』
「例えば、日本では1000円で売れるレコードが、海外では100円で売っていることもあるのですか。つまり、激安で」とインタビュアーの方が渋谷HMVのバイヤーの方に聞いています。
普通に考えるとけっこうな儲けがある気もしますがそんなことはないのです。
当店の様に小規模で海外買付をして商品を仕入れているかぎりは全く儲かりません。
正直、1000円で売るレコードを100円で買ってくるバイヤーは自分の周りには一人もいません。

順序立てて費用を算出しましょう。
小規模でやっているレコード店なんて概ねこんな感じだと思われます。
(お店によって違うのでその点ご容赦ください)

1. LPが100円

2. 航空便でレコードを送ると概ね1枚あたり140円〜180円くらい、まあ160円ということにしましょう。

3. レコードショウを2つ挟んだ12日間の買付滞在費はフライト代、レンタカー代、ホテル代合わせて30万円ほど。
当店くらいですと大体700~800枚位購入します。
購入枚数700枚、滞在費を買付枚数で割ると1枚あたり428円の経費がかかっていることになります。
(HMVは5000枚ですが、質のよい商品だけを求めている当店にはこれくらいがまあ限界ではないでしょうか)

4. 到着した商品は当然グレーディングしてから値段をつけます。時給900円のアルバイトを使って6分で1枚処理するとして1枚当たり90円の費用がかかります。

5. ビニールの内袋、外袋をつけますのでその費用が約25円。

6. 店舗の維持費が概ね25万円、6000枚の在庫があるとすると1ヶ月あたり41円の経費がかかります。

さあ合計がどのくらいになるのか計算してみましょう。

商品:100円
送料:160円
商品枚数700枚/買付滞在費30万円 428円
店舗在庫1ヶ月あたり 41円
グレーディング費用 90円
内袋・外袋代 25円
——————————————————
合計844円

そう、100円で買ってもレコード1枚にこのくらいの費用が上乗せされるのです。
ですので1ヶ月以内に売れても156円の利益にしかなりません。
更に店舗維持経費のことを考えると1000円のレコードは3ヶ月以内に売れないと利益は無いのです。
ですので当店で販売している1200円以下の商品はもうほとんど利益は無いので、基本的には次回買ってくる予定もございません。

というわけで気になる物があったらご購入して頂けると嬉しいです。
「最後は広告かよ!」と思う方もいらっしゃるとは思いますが、レコードが売れないと当店潰れてしまいますので是非!

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価格の安い順でソートしてください。

次回は「100円で買ったレコードを1000円で売って収益を上げるには」です。

ブログ 『レコード店を考えてみる』 はこちらから

追記:「1000円で売るレコードを100円で買ってくるバイヤーは自分の周りには一人もいません」と記載しましたが、浜松Soul Clapの柴田さんから「1000円で売るレコードを100円で買ってくるバイヤーここに居ますw」と頂きましたので訂正してお詫び致します。