レコードのクリーニング方法 / 木工用ボンド・パックを試してみよう!

レコードのクリーニングっていろいろな方法がありますよね。
自分が知るかぎり格安で一番綺麗になるのは木工用ボンドパックです。
サボテンレコードでは洗浄液を使ってクリーニング、超音波洗浄機でクリーニング、それでもだめなら木工用ボンド・パック、そして再度超音波洗浄機で洗浄していました。
木工用ボンド・パックはホントに綺麗になります。
ただこの方法には問題があると言われる方もいますのでその点が気になる方はこのクリーニング方法はパスしてください。
この記事をを上げる前に私が12年程前にこの方法でクリーニングしたレコードをチェックしましたが音は全く問題ありませんでした。

今回はその方法をできるだけ詳しく説明したいと思います。

もちろん使うのはたった一つ、木工用ボンドです。
クリーニングする前にそのボンドできちんと剥がれるか駄目なレコードで確認してください。
アセテート盤にはダメな方法ですので絶対にやらないでください。

まず最初に汚れが酷い物は汚れを落として下さい。

最初はこんな感じでした。

塗布する量はこのくらい。多いと乾くのに時間がかかります。

指でのばしていきます。

塗布する厚さはこのくらいで充分です。

内側のデッドワックスの部分と外側のリード・インの部分は少し厚めに塗った方が後に剥がしやすいです。
レーベルには絶対塗らないで下さい。剥がれちゃいますよ〜。

左が20分後、右が50分後です。

すべてが透明になったら剥がします。

外側から剥がす方法と内側から剥がす方法がありますが今回は外側から。
まず爪でボンドの部分を浮かせます。難しい場合はピンで押し上げて下さい。
その際にはレコードを傷つけないようにしてください。

外側から内側に向かって丁寧に剥がしていきます
内側に到達したら溝と平行にすべて剥がしていきます。

こんな感じに少しボンドが残ると思います。
今回はサンプルのため音溝の上に残しましたができるだけ音溝にはボンドを残さないで下さい。

盤に残っているボンドをテープで剥がします。
今回はスプライシング・テープを使用しました。古いテープや100均などで買った安いテープは使用しないで下さい。
駄目なテープを使用すると盤にテープの糊がついてしまう可能性が大きくなります。

完成です。綺麗になりました。

恐れ入りますが自己責任でお願いします。
失敗、その後の経年変化は責任が持てませんので何卒ご了承下さい。

レコード買って頂けると嬉しいです。

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ジャケのクリーニング方法 / レコードのジャケについたテープ跡を落とそう!

ちょっとテープ補修の傷みがあってもレア盤だと買っちゃいますよね。
自分もその口です。
でもテープ跡、嫌ですよねえ。
今回はシール跡をできるだけ除去してみようということでチャレンジしてみました。
使うのはたった一つ、シール剥がしです。

最初はこんな感じでした。(既にテープを剥がした後でしたのでこれは再度貼り付けた再現写真)

シールを剥がした後はこんな感じ

テープ跡の部分にシール剥がし液を塗ってビニール袋に入れて浸透させます。
ビニール袋に入れる理由はシール剥がしの揮発性が高いためです。
(テープ跡が取りにくかったら再度浸透させて下さい)

液を塗布しながらスクレーパーで丁寧にこそげ落とします。

全部とは言えませんが大体とれました。カバー全体の汚れも軽く落とします。
まあこのくらいで許して下さい。

比べてみました。どうでしょう?

テープでよごれているものがあったら是非お試し下さい。

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というわけでそのアルバムを販売中です。
買っていただけると店主大喜びです。↓
Stan Getz Plays
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世の中のいろいろなJIMI HENDRIX (ジミ・ヘンドリックス)を集めてみました。

誰もが知っているギター・レジェンド。
彼無しには今のロックは無かったかも知れません。
まあそれはともかく、変わった風にいろいろオマージュ?されているので上げていきますね。

まずは壁にジミヘン

出典はこちら → http://mudfooted.com/artistic/

分電盤?に顔を描いてジミヘン

よく見るとこんな感じ

出典はこちら → http://zzz.zoltron.com/jimi

やっぱり楽器でしょ

出典はこちら → https://www.instagram.com/p/uWasgWwEYk/

アイロン・ビーズ

Ian Wrightさんの作品です。出典はこちら → https://www.pinterest.jp/source/mrianwright.co.uk/

ピック

2009年のオークションで販売時£23,000で落札されたそうです。
ピックの枚数はなんと約5000枚。
よく作りますね!
Ed Chapmanさんの作品です。出典はこちら → http://www.edchapman-mosaics.co.uk/

ピザ

食べるのが惜しくなります。販売はしてなさそうですね。
出典はこちら → https://www.facebook.com/StabenosPizzeria

ポップコーン

出典はこちら → http://www.ifitshipitshere.com/celebrity-food-art-by-jesse-beardon/

ジャム

どちらもJesse Beardonさんの作品です。
出典はこちら → http://www.ifitshipitshere.com/celebrity-food-art-by-jesse-beardon/

焼きそば

才能ありすぎです。笑っちゃいました。
出典はこちら → https://twitter.com/xx696xx

よかったらレコードも買って頂けると嬉しいです。
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レコードの買取もしておりますのでお売り頂ける方は是非ご検討下さい。
こちらからご連絡下さい

※記載事項に問題があるようでしたら削除致しますのでご連絡下さい。
宜しく御願い致します。

誰がアルバート・アイラーを殺したのか? (Who killed Albert Ayler?)


ジャズ・ファンでなければアルバート・アイラーと聞いて、「誰?」と思う方も多いかとは思います。
彼は60年代を駆け抜けるように活動して70年にニューヨークのイーストリバーでその死体を発見されたフリー・ジャズを代表するサックス奏者。
さらに詳しく知りたい方はウィキペディアでどうぞ。

昔何かの本を読んだときには「変死体で発見された」と書かれていたと記憶していたのですが、現在では自殺、事故死、それとも他殺なのか…死因は不明となっています。

調べてみると気になるところはこの3つ。
1. 死の直前には自殺をほのめかしていたりしていた。
 ウィキペディアでは「同棲していたアイラーの彼女のメアリー・マリア・パークスが『自由の女神像のフェリーに乗って、船がリバティ・アイランドに近づいたところで川に飛び込んだのだ』と述べている」
これらが彼の自殺説の元となっていると思われます。

2. いなくなったのは11月5日、発見されたのは11月25日
 その間、彼の足取りは?

3. 警察は捜査せず数日死体安置室で放置。
 それはなぜか?


ちょっと前にアメリカで年輩のレコード・ディーラーのところでレコードを選んでいるときにアルバート・アイラーのレコードを抜いたら、彼が「奴は可哀想な死に方をしたよな」って言うんです。

「えっ!どんな死に方をしたの?」
「そうか、たいていそんなことは知らないよな。
大体ミュージシャンが若くて死んだとしたら薬かギャンブル、そのどっちかだ。
交通事故とかの事故死、それから病気は除くとして、まあそう言うことだ。
そう、彼は根っからのギャンブル好きだったんだよ。最後には大きな負けを取り戻す事ができず、ギャング達に小汚い冷蔵庫に詰め込まれてニューヨークのイースト・リバーに投げ捨てられたんだよ」


すべてが繫がった。

1. 死の直前には自殺をほのめかしていたりしていた。
 彼が自殺をほのめかすほど落ち込んでいたのは彼がもうすぐ殺されるかも知れないと思っていたからだ。
 メアリー・マリア・パークスが言ったことは彼を名誉を擁護するための発言だと思われる。彼が飛び込んだのを見ているのならば飛び込んだ日に警察に連絡しているだろう。
2. いなくなったのは11月5日、発見されたのは11月25日
 殺されたのがいつかはわからない。逃げたものの捕まって殺されるまで時間がかかったのかも知れないし、ギャング達にすぐに殺され、重しをつけた冷蔵庫に詰め込まれて川に投げ込んだものの、その重しがとれて浮き上がってきてしまったためかもしれない、ただ単にその冷蔵庫が岸に流れ着くのに時間がかかったのかも知れない。

3. 3. 警察は捜査せず数日死体安置室で放置。
 警察は死体がアルバート・アイラーだとは思わずにギャングかそれに近いものだと思い、その作業が後回しになってしまった。その為数日死体安置室に放置してしまった。
黒人だと言うことも理由のひとつかも知れない。

ネットで調べたのですがディーラーの言うようなことは一つも出てきませんでした。
それでもディーラーが言っていたことは真実か、真実にかなり近いのではないかと私は思っています。
でもそうは思わない人もいるでしょう。
まあそれはそれ、もうこうなると推理のようなものですから、今となっては真実を調べようと思う方もいないでしょうしね。
書いたことは悲しい話、「そんな事を書くなんて不謹慎だ」と言われればそうだと思います。でもジャズ・ファンの方だったらちょっと興味深い話じゃありませんか。
生きていたらどんな演奏をしていたんでしょうね。

追記 : 上の写真左上部のJet誌の死亡記事によると来日公演の準備もしていたんですね。

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レコード、オリジナル盤の音が良い理由



レコード屋などという仕事をしていると「この時代にどうしてレコードなんですか?」と聞かれることがあります。
「ただ単に音がいいからです」と答えると「えっ!嘘でしょ!」と大抵驚かれます。
そりゃそうですよね。普通に考えたって今はCDを超えてハイレゾの時代ですもの。
個人的には~70年代中盤くらいまでは当時のLPの音が一番良いのではないかなあと思っています。
ただ各国でマスタリング、カッティングも違うので一概にどの国が一番とか絶対レコードが一番とは言えないのですが。
先日、「フォーマットによる音の順位:78’s > 45’s, LP(Vinyl) > 俗にハイレゾといわれるもの > CD > mp3」というツイートをしたのですが「ハイレゾの方が音が良いですよ!」と言われたりしました。
そのツイートを読んで頂いた方、言葉不足でした。すみません。
確かに最新の録音はLPよりハイレゾの方が音がいいと思います。
機材も変化してきていますし、しかも今のフォーマットに合っています。
現在のオーディオも同様にそのフォーマットに合っています。
でも古い録音はやっぱり当時のフォーマットに合った物の方が音が良いと思います。
それは周波数帯域が広くてフラットというような理由ではありません。
50年代や、60年代に録音された音源のマスターテープって時間と共に劣化していくんですよね。
(それ以降のものだってもちろん磁気テープは劣化します)
古い物は数時間たつだけでと高域が僅かに劣化して、更に経過した時間と共に更に劣化していくんだと言う方もいました。
同タイトルで当時の原盤と最新のマスタリングされたアルバムを比較するとなにが一番違うかというといえば『空気感と実体感』なんです。
特に50年代のジャズに顕著だと思うのですがオリジナルやニア・オリジナルの盤にある「ふわっ」とした感じと特にアタック感のある高域の「クピーッ」と抜けるような痛快な実体感。
その『空気感と実体感』がマスターの劣化により減っていたり、無くなったりしてしまうんでしょうね。
やはりその『空気感と実体感』というのはリマスタリングによって最復元することが一番難しいところなのだと思います。
そんな理由で多くのレコードは現在発売のレコードよりも録音された時に一番近い時に発売されたレコードが基本的には一番音が良いと考えます。(もちろん違う物もありますよ)

33 1/3、45回転レコード以前のフォーマットである78’sは更に実体感が強くその音の良さにはビックリする程です。
78’sは過渡特性が良いからかななどと勝手に思ったりしていますがどうなんでしょうね。
もし機会がありましたらElvis Presleyなどの78’sを聴いてみて下さい。
あまりにも暴力的なパンク感に痺れることと思います。

オリジナルのレコードって本当にいいですよ!

レコードの買取もしておりますのでお売り頂ける方は是非ご検討下さい。
こんな事↑を書いておりますが勿論リイシューも大歓迎、よろしく御願い致します。
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音楽の好みと地域性



今回は『音楽の好みと地域性』の話です。

「Elvis Presleyってどんな人」と聞かれたら
「ロックの基礎を作ったキングと称される偉大な人」と多くの人がこんなふうに答えますよね。
でも黒人のレコード・ディーラーと話したときに彼はこう言ったんです。
「Elvis Presleyはクソだ。黒人から多くを盗み、そして何も還元しなかった。最低の奴だ!」
ちょっと言い過ぎと思う方もいるとは思いますが、黒人の側から見たらそれがある部分事実なんですね。

以前Hal’s Recordsの池田さんとお話させて頂いたときに「Helen Merrillってアメリカには結構ある?」と聞くんです。
「アメリカではなかなか見かけないですよ、ヨーロッパに買付に行っているんだからそっちの方がそれなりにあるんじゃないんですか」
「ヨーロッパの方は黒人にジャズの神髄があると思っているから白人のヴォーカルはあまりないんだよね」
「えっ、そうなんですか」
日本人の感覚だとちょっとビックリしませんか。ジャズ・ヴォーカルの神髄は黒人にありですよ。

日本人だとけっこうこんな感じです。
「お薦めのヴォーカルないですか?」
「Ella Fitzgeraldのバラッドとか心に沁みますけどどうですか?」
「いやあ、上手くても黒人は無理、ジャケ見ても楽しくないし、白人の可愛いのか美人さんがいいな」
そうなんですよね。女性ヴォーカルというのはおじちゃん達のアイドルなんです、だから可愛くないとダメなんです。
勿論そうじゃない方もたくさんいるのは知っています。
そう、でも日本人の多くは黒人の歌手より白人の歌手を好みますよね。

ジャズで考えると名盤って美女ジャケが多くないですか。
内容が同じくらいだったら美女ジャケの方を名盤としているような気がしませんか?
ちょっと内容は落ちるけど素敵な美女ジャケだから…なんて
そうこれもちょっとアイドル感覚が入っているんですよね。
勿論、自分だってElla Fitzgeraldがもっと可愛かったら良いのにとか思いますし、カバー写真は美女のほうが嬉しいですよ。そりゃ男ですから。
個人的には中身が一番大事とは思いますが、聴き方は人それぞれ、好きなアーティストを聞くのが一番ですよ。

またロックの話に戻りますがブラジルでは日本ではほぼ売れない*Ramatamが人気なんだそうです。
Ramatam誰だよって思う人も多いのではないかと思うくらい日本ではマイナーですよね。
何で人気があるのか分かりますか?
そう、あるブラジルの評論家が絶賛していたのが受け継がれて、これがロックの定番となって売れているとブラジルの友人から聞きました。
これって、あの映画*『シュガーマン 奇跡に愛された男』と同じ感覚ですよね。

その国、その地域によって大まかな流れがあるんです。
それはメディアや評論の影響だったり、先ほど書いたことを例にとれば人種の違いだったり、そういうところから音楽の良し悪しが生まれてくる感じがします。
そう考えるとそれぞれが違う様に思っているのだから良い音楽とか悪い音楽とかの意味って無いじゃないかと思ったりします。
音楽って見ている方によって形が違うということが分かると更に面白くなったりしませんか。
もちろん思った通りじゃなくてがっかりする方もいるとは思いますが。
私たちは良い音楽を求めて聴いていたりしますが人それぞれ、それぞれの人が好きなものが良い音楽でいいじゃないかと思う次第です。

次回は『音楽ストリーミング再生とジャズ喫茶等に思う事』です。
少し『レコード店を考えてみる』から離れてしまっていますがもう少しお付き合いをお願い致します。

Hal’s recordsはこちらから

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*Helen Merrill / You’d Be So Nice To Come Home To (Youtube)

*Ella Fitzgerald / Satin Doll (Youtube)

*Ramatam
元Iron Butterflyの Mike Pinera、JImi Hendrixと共に活動したMitch Mitchell、紅一点の美人ギタリストApril Lawtonをメインにしたちょっと小さなスーパーバンド、気になる方はyoutubeをどうぞ

*『シュガーマン 奇跡に愛された男』予告編(Youtube)

レコードの転売で食べていけるのか?



今回はたま〜にお客さんに聞かれる「転売で食べていけますかね〜」について書いていきたいと思います。
結論からいえば今は食べていけると思います。
友人にもいますし、コンスタントに頑張ればやっていけるのではないでしょうか。
お店で買って、ヤフオク!等に出品して転売、知識があればそんなに難しい事じゃないですよね。

友人の話ではやはりちょこちょこ、転売屋の世界に入ってくる人がいるそうです。
当然、やめていく人もそれなりにいるそうで大体の人数はそう変わらないと言っていました。
なにが辛いってやはりほぼ毎日どこかに買いに行かなくてはならないこと、それを出品してとなるとそれなりに時間がない。
「誰にも縛られない生活はまあいいんだけど、やらなければお金にならないし、結局は縛られているんだよな」とのことでした。
そうですよね、毎日お店を回ってどこかでやっているセール、100円セール、週末のセールなどに顔を出してレコード買って、同業者同士のそれなりの競争もあってとなるとそれはそれでちょっとしんどいですよね。

じゃあいったいどれくらい儲かるのということが気になりますよね。
「経費、仕入れなどを除いた金額は月で20万円〜40万円くらい、平均だと30万円位かな。ラッキーな仕入れができればもうちょっとはいけると思いますよ」とのこと。
どうです、やってみたいですか?

確かに短期で働くなら良いですよね。
次に何かをする目的がある、それなら一時的に転売屋も悪くないと思います。
ただ長い目でみたら、申し訳ない、正直お薦めできません。
どんなにレコードが好きでも、ほぼ毎日の買付…疲れ切っちゃうかもしれません。
結婚して、子供が欲しいかなと思ったとき、その仕事がダメになったらもうつぶしが効かないです。しかもなんの保証もありません。
しかも楽そうにみえて決して楽ではない。
だからこそ、転売の世界に人は入ってきてまたやめてしまう方も多い?それなりにいる?のだと思います。
仕事だからどれも厳しいのは同じじゃないかという方もいらっしゃるとは思います。
俺は自立して頑張るんだ!と思う人には良いかもしれません、でも当然ながらくじけないことが前提です。
更に次にどのようにステップ・アップしていくかを考えておきたいところですね。
それができるならOK! 転売屋、良いじゃないですか。やってみましょう!

お願い:「サボテンレコードが『やってみましょう!』って書いてあったから始めたのに利益が出ませんでした」と言われても困っちゃいますので始める場合は自己責任で御願い致します。

次回は「音楽の好みと地域性」についてのお話です。
ディーラーから聞いた話などを交えてそれぞれの音楽に対しての感じ方について書きたいと思います。

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レコード店をやるべきか、ジャズ喫茶をやるべきか



今回は「レコード店をやるべきか、ジャズ喫茶をやるべきか」です。
中古レコード店を生業としてるとちょいちょい、おじさま方に聞かれるこの問題。
どうなんでしょう。

まずはレコード店
そのレコード店を開店したいという方々がよく言われるのは「自分のレコードがあるからそれを売って、その間にどうにかすればやっていけそうな気がするんですよね。お金もそれなりにありますし、まあ儲からなくても続けていければなあと思っているんですけど」
わかります。ご自身の持っているレコードはいいタイトルが揃っているでしょうから、確かに最初はうまくいくと思います。
問題は『その間にどうにか』です。
「『その間にどうにか』はどうするんですか?」と聞くと
「友人からレコードを売ってもらったり、買付に行ったりすればどうにかなると思うんですよね」
う〜ん、確かにうまくまわればやっていけると思いますが、その希望的観測で大丈夫なのかなあと思います。
友人が売ってくれるレコードは友人がいらないレコードですし、買付をしたことがない方が買付に行って成功する可能性はジャズに関して言えばほぼ0%だと思います。
店舗を構えて内装して開店、そしてお客さんが来てジャズ談義…う〜ん、確かに楽しいでしょう。
わかります。お店開きたいですよねえ。
でも今となっては、お客さんが思うようにはレコードは売れません。
自分が好きなものは、みんなも好きだと思うのですが悲しいかな、そんなことはないんですよねえ。
いいレコードだけ売れて、残ったのはつまらないレコードばかり、仕入れもうまくいかない。
「あ〜こんなことなら、レコード店なんて開けるんじゃなかった」という溜息が聞こえてきそうです。
ですのでその状態にならないように考えないと経営は難しいと思います。
売り上げを最低のラインから計算すると失敗する可能性は低くなると思います。

買付の知識、レコードの知識があるのであれば始めてもいいのではないでしょうか。
でもたいていの人はそんなの知らないですよね。
少しずつ始めて、店舗は持たずヤフオク!で売ってみてうまくやっていけそうなら店舗でもというのが良いかと思います。
どちらにしろ、どうしてもかなりの知識とある程度の仕入れのルートが必要です。
どちらかが欠けている場合は諦めた方がよろしいかと思います。
買付は体力勝負のところもありますしね…

そしてジャズ喫茶
ジャズ喫茶を開店したい方々がよく言われるのは「本当はレコード店をやりたいんだけど、買付の方法や知識の面で不安だからジャズ喫茶ならいいかなあと思って、お金もそれなりにありますし、まあ儲からなくても続けていければなあと思っているんですけど」
はい、でも喫茶店も大変ですよ。
どの大きさではじめるのかは人によって違うと思いますが
仮に家賃が15~20万円程度で1人か2人でまわすと考えて、1日の売り上げの予算は最低で3万~5万円と言ったところでしょうか。
昔よく行っていた喫茶店の方が話していたのですが、「売れない日の4万円(彼の予算)ってその1日で考えると果てしなく遠いですよ、お昼の人の入りが少ないだけで凹みますから」
「でもレコード店から見ると喫茶店はいいですよねぇ、お客さんがくれば必ずいくらかはおいていってくれるんだから」
「いやいや、レコード店の方がいいでしょ、営業時間の残り10分でもガツンと買ってくれる人が現れればそれで売り上げ立つんですよ、喫茶店は残り2時間からの予算達成はまず不可能ですよ。羨ましい!」
まあ、お互い隣の芝生はたいそう青く見えるということでしょうか。
営業時間は11:00~22:00くらいが普通でしょうか。
仕込みもいれたら労働時間は12時間を軽く超えます。
どうです、ちょっと辛いでしょ。
しかも毎日が試行錯誤、さらに良い店に変わっていくよう努力を積み重ねなくてはなりません。
儲からなくてもいいと思うかも知れないけど、儲からなかったらつまらなくてやめたくなる可能性は大です。
ですのでお金を儲けたいと思わないならやめた方が良いと思います。少しでも儲けたいと思いましょ。
(本当にお金が有り余っていて趣味なんだよと言う場合は別ですよ)

ジャズ喫茶よりレコード店を始める方が敷居は高いと思います。
誰もが言いますがは「始めるのは簡単だけど、続けるのは大変だ」
そう続けるのはどちらも大変。
お店を良くする努力を楽しみ、ちょっとした辛さはちょっとした楽しみくらいの考えでやっていけたらいいですね。

ここまで書いて…たしかBar Bossaの林さんもFacebookで似たようなことを以前書いていたなと思い出しました。
ここより詳しく書いてありますので気になる方は是非!
Bar Bossaの記事はこちらから
ジャズ喫茶のrompercicciのご主人から「お前の書いていることはぬるすぎる、本当の真実とはこうだ!」というご批判の記事も書いて頂きました。
rompercicciの記事はこちらから
あわせてお読みいただくとなんとなく見えてくるものがあるのではないでしょうか。
おもしろいなあ。是非読んでみて下さい。

次回は「円安とレコード・ブームが輸入中古レコード店に与える影響について」です。
レコード・ブームだから結構儲かったりしているんじゃないのと思っている方もいらっしゃるかとは思いますが、さてどうなんでしょう。

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The KinksのRay Davisさん、The Beatlesの新譜“Revolver”をレビューする

こんなのあったんだ。
このアルバムで一番好きなのは“I’m Only Sleeping”、二番目は“Good Day Sunshine”、“Here, There and Everywhere”も好きなのか、へぇ〜。
“Yellow Submarine”はやっぱりXなんですね。
なるほど〜。


Ray Davies reviews Revolver for the magazine Disc And Music Echo, 1966.

“Taxman” – “It sounds like a cross between the Who and Batman. It’s a bit limited, but the Beatles get over this by the sexy double-tracking. It’s surprising how sexy double-tracking makes a voice sound.”

“Eleanor Rigby” – “I bought a Haydn LP the other day and this sounds just like it. It’s all sort of quartet stuff and it sounds like they’re out to please music teachers in primary schools. I can imagine John saying: ‘I’m going to write this for my old schoolmistress’. Still it’s very commercial.”

“I’m Only Sleeping” – “It’s a most beautiful song, much prettier than ‘Eleanor Rigby’. A jolly old thing, really, and definitely the best track on the album.

“Love You Too” – “George wrote this – he must have quite a big influence on the group now. This sort of song I was doing two years ago – now I’m doing what the Beatles were doing two years ago. It’s not a bad song – it’s well performed which is always true of a Beatles track.”

“Here There and Everywhere” – “This proves that the Beatles have got good memories, because there are a lot of busy chords in it. It’s nice – like one instrument with the voice and the guitar merging. Third best track on the album.”

“Yellow Submarine” – “”This is a load of rubbish, really. I take the mickey out of myself on the piano and play stuff like this. I think they know it’s not that good.”

“She Said She Said” – “This song is in to restore confidence in old Beatles sound. That’s all.”

“Good Day Sunshine” – “This’ll be a giant. It doesn’t force itself on you, but it stands out like ‘I’m Only Sleeping’. This is back to the real old Beatles. I just don’t like the electronic stuff. The Beatles were supposed to be like the boy next door only better.”

“And Your Bird Can Sing” – “Don’t like this. The song’s too predictable. It’s not a Beatles song at all.”

“Dr. Robert” – “It’s good – there’s a 12-bar beat and bits in it that are clever. Not my sort of thing, though.”

“I Want To Tell You” – “This helps the LP through though it’s not up to the Beatles standard.”

“Got To Get You Into My Life” – “Jazz backing – and it just goes to prove that Britain’s jazz musicians can’t swing. Paul’s sings better jazz than the musicians are playing which makes nonsense of people saying jazz and pop are very different. Paul sounds like Little Richard. Really, it’s the most vintage Beatles track on the LP.”

“Tomorrow Never Knows” – “Listen to all those crazy sounds! It’ll be popular in discotheques. I can imagine they had George Martin tied to a totem pole when they did this.”

“This is the first Beatles LP I’ve really listened to in it’s entirety but I must say there are better songs on ‘Rubber Soul’. Still, ‘I’m Only Sleeping’ is a standout. ‘Good Day Sunshine is second best and I also like ‘Here, There and Everywhere.’ But I don’t want to be harsh about the others. The balance and recording technique are as good as ever.”

『ぼくはもっぱらレコード』古田直著を読んで


「これさえあれば何もいらない」
そうそう、心の底からそう思う。
これは「Ella Fitzgerald & Louis Armstrong / Ella & Louis」の章、冒頭の文章だ。
誰だってこのアルバムを聴いたときにはそう思うのだ。
これは知人の古田直さん、ヴィンテージレコード専門店ダックスープの店主が書いた本だ。
本のタイトルは『ぼくはもっぱらレコード』
ハードバップ以降のジャズ本が多い中、Sonny Rollinsの「Saxophone Colossus」の章やRudy Van Gelderの音質聴き比べ等のコラムがあるものの、その時代よりちょっと前のバップやスイングを中心に書かれた本だ。
Duke Ellingtonの項での〆の言葉「…さあ今日はどのコースにいたしますか?すべてがお勧めでございます」
そう、その通りだ。「彼の音楽はどれも美しく、美味しい」
Charlie ParkerとDizzy Gillespieの危険な関係、
Les PaulとPatti Pageの多重録音での火花を散らすリリース合戦の結果、
Frank Sinatraが40年代後半の失速からどうやって復活したのか、
Nat king Coleはどうして当時主流じゃないピアノトリオからはじまったのか、
Fats Wallerが歌詞書いた「ぼくのたったひとつの罪はこの黒い肌」、この突き刺さるような傷み、
Gerry Mulliganの名曲「Night Lights」が「Lonely Nights」になる悲しいストーリー等々、
そしてこんな方達までも!?と思うようなMal FitchやHadda Brooksまで当時のエピソードをまじえ愛情深く思いを巡らしていくのだ。
掲載されているアルバムを持っている人はもう一度そのアルバムを聴きたくなり、持っていない方はそのアルバムを聴いてみたくなるようなエッセイと和田誠さんとの対談集。
良かった! お勧めです。

ご興味ある方はこちらから↓
「週間てりとりぃ」に掲載された古田直さんの発売のお知らせ
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