コレクターズ②

Collectors第2回目は中目黒にお住まいのプラモデル・マニア、ニックネーム「ぷらもオヤジ/72(72ぶんのぷらもおやじ)」さんの登場です。
72分の1のエア・スケール・モデルにこだわって製作しておられるプラモ・マニアの方で、ニックネームはそこから由来しています。
現在1500個を超えるキットを所有しているそうで、ここまでストックするとよほど珍しい機体意外はほとんど持っているとのこと。

小学生の頃から(約40年前)作り始めたというプラモデルですが、はじめは三京のピーナッツ・シリーズという1/150程度の
色も塗らない組み立てるだけの簡単なものだったそうで、少ないお小遣いをやりくりしてこつこつ作っていたそうです。
その後、1/72のエア・スケールに目覚め、新橋にあったという「ステーション・ホビー」というお店に千円握りしめ通ったそうです。
当時は全て輸入物のため、当然説明書も全て英語。
中でも一番大変だったのは、今のように基本的な色しかなく、色を自分で調合して作ったそうです。
アメリカ海軍の色である当時ネイビー・ブルーと言われていた色にには苦労されたそうで、ブルーに黒を入れ、白、赤を少し加え
「たぶんこんな色だろうな」と行った具合に調合していき、乾いてしまうまでに塗りきったそうでう。
その後、高校へと進学するあたりで「他にも楽しい事があった」とのことで一旦プラモデルからは離れる事に。

10年程前に出張でドイツとオーストリアへ行った際、偶然入った大きなおもちゃ屋に並んでいた大量のプラモデルを見ていて
ドイツが終戦間際に制作した図面だけしか存在しない幻の戦闘機や対戦末期に実戦配備されたジェット戦闘機「ME262」などの今まで見たことの無いキットに驚いたそうです。
そこで気になったものを3個程購入して、日本に帰国後「またちょっと作ってみるか」というところから現在に至るそう。
余談ですが幻の戦闘機というと日本には「烈風」という戦闘機があったそうです。
「雷電」「紫電改」の後に作られた図面と写真が3枚だけ存在するというロバート・ジョンソンのような幻の戦闘機。

再開後、復帰第1作目となったアメリカ海軍の名戦闘機F-6ヘルキャット。
グラマン社が設計し第二次世界大戦中盤以降終戦まで使用された艦上戦闘機です。
単色のシンプルなネイビー・ブルーと無骨な機体がかっこいい。
復帰してすぐにこのクオリティーというのがすごい。

次はP-51D ムスタング。
アメリカで2番目に多く作られた名機で、第2次大戦後も朝鮮戦争等でも活躍した、ジェット機にかわるまでいろんな場所で出撃した有名機です。
復帰後、初の本格的な銀塗装を施した力作だそうです。
実物の色々な写真を参考に細部に至るまで実に丁寧に作られています。

そしてこれがアメリカで1番多く作られた戦闘機P-47Dサンダーボルト。
P-51とならび大戦中にアメリカ陸軍航空軍の主力戦闘機として活躍したそうです。
羽の形がかっこいい、ノーズ・アート(機体の先の部分)の女性がまたいいです。
機体の色やデカールも素晴らしいです。

日本海軍の特攻兵器、人間魚雷「回転」のジオラマもありました。
大量の爆薬を搭載し、隊員自らが操縦して敵艦に体当たりするというとんでもない特攻兵器です。
こちらも細部までリアルに作られています。

最後に一番気に入っている機体はどれかとお聞きすると、ハワイの国内線でとても小さな航空会社
エアーアイランドの旅客機を見せて頂きました。
垂直尾翼のマークなど、現地に行ったときに撮影した写真を元にリアルに再現されています。
かなり珍しい旅客機です。
これが最後に出てくるとは意外でした。

こちらは制作部屋の風景。
まだ作っていない物も大量にあり、専用の棚に保存されています。

古いものだとデカールが乾いてしまって使えないので、デカールだけ購入して貼るそうです。

こちらは高校時代から聴いているというJazzのLPのコレクション。
全てはここには無いそうですが、コレクションのごく一部だそうです。
Sonny Clarkのファンで全ての録音をお持ちだそうです。

日本盤Sonny Rolinsの3種。
日本で当時未発表シリーズとして発売されたもので色違いのジャケットが素敵です。

好きな物に囲まれ、好きな音楽を聴き、快適な時間を過ごされている
レコードもそうですが、あるジャンルを極めるのは並大抵ではありません。
ぷらもオヤジさんの情熱に圧倒されました。
貴重なお時間本当にありがとうございました。

ホーム・ページには制作された全ての模型が掲載されていますので興味のある方は是非ご覧になって下さい。

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