Carole King『Tapestry』のUS盤オリジナルについて

Carole King『Tapestry』のUS盤オリジナルについて
ご存じの様にロック史で外すことのできない名盤です。
このアルバムは本国アメリカでも若干のバリエーションがあります。
まずはカバーから
現在完全オリジナルとされているのがざら紙・ゲート・フォールド・カバー。

こちらは通常のゲート・フォールド・カバーです。
現在はどちらもオリジナルとされています。

分かりにくいので拡大してみました。上がざら紙、下が通常盤です。(写真の撮り方が悪かったのか、それほど違わないように見えますがかなり違います)

ざら紙のカバーに入っている盤のマトはまず若いのでどうしてもと言う方はざら紙タイプをご購入下さい。
最近では大変高くなってきていますのでお薦めするには正直、ちょっと躊躇してしまいます。

次にレーベル、レーベルは基本的には2種類。
曲のクレジットがあるものと無いものです。どちらも「Ode 70」の印刷がレーベルにあります。
まずは曲のクレジットがあるもの。

曲のクレジットが無いタイプはセカンド・レーベルと比べてみました。
左がオリジナル、右がセカンド・レーベルです。

曲のクレジットがないものがオリジナルという方もいらっしゃいますがこれは工場の違いです。
ですので「70」がなくなった2ndレーベルになってもレーベルのデザインに変更はありません。

という訳で

「曲のクレジットがないものがオリジナル」というのは間違いですよ〜。

ご存じない方のご参考になれば幸いです。

↑というのをそのうちブログに上げようと思っていたら「今月(2017年5月号)のレコード・コレクターズに更に詳しく掲載されているよ」
と知人に知らされました。
気になる方は是非レコード・コレクターズをご購入下さい。
レコード・コレクターズの筆者の方のツイッターはこちらです↓
https://twitter.com/kamijake

サボテン・レコードのネット・ショップはこちらから

レコードの買取もしておりますのでお売り頂ける方は是非ご検討下さい。
こちらからご連絡下さい

Miles DavisのKind Of Blueのオリジナル判別方法について




マイルス・デイビスのカインド・オブ・ブルーといえばジャズ史を語る上で外すことのできない名盤です。
当店はオリジナル盤を中心に販売しているため、お客様にちょこちょこ「どれがオリジナルですか?」と聞かれます。
というわけで今回、モノラル盤でその事に関して説明してみたいと思います。
まずはカバーから
と書いても残念ながらカバーでオリジナルかどうかの区別はつきません。カバー裏面の工場番号、そう「1」とか「2」とか裏面の右下部にプリントしてある文字以外はどれも同じです。
そしてB面の曲順表記が間違っていますが訂正されず、写真の様にずっと間違ったままです。

ですのでレーベル。
オリジナルは6Eye(シックス・アイ)と呼ばれるレーベルで内側に溝があるタイプになります。



溝なしもありますが通常は溝有り(「ディープ・グルーブ」と呼ばれます)タイプのレーベルを貼られているものがオリジナルと言われます。
溝有りでも下の写真の様にレーベルの上部に「CBS」のマークがある物はセカンド・プレス(初期プレス)になります。
当然のことながら「オリジナル」は販売店の考えによって若干違いますのでこのような溝無しやCBS有りまでをオリジナルというお店もあると思います。
写真はCBS有りの溝無しです。

このタイトルで問題になるのはB面の曲順です。
B1. All Blues
B2. Flamenco Sketches

が正しい曲順ですが、コロンビアは間違って
B1. Flamenco Sketches
B2. All Blues

と製作してしまいました。
それがこちらです。写真のレコードのB面のマトリックスは「J」でした。


そして訂正後がこちら。写真のレコードのB面のマトリックスはこちらも「J」でした。



というわけで俗に完オリといわれるものは
カバーの裏面の曲順とレーベルの曲順が同じタイプになります。
通常オリジナルといわれるタイプはこの完オリといわれるタイプのものと訂正後のレーベルで6Eye、溝有りタイプまでをいう方が多いです。
当店もその様にしております。

一応写真を撮りましたので白ラベのプロモ、2Eyeのレーベルもあげておきます。


ご存じない方のご参考になれば幸いです。

サボテン・レコードのネット・ショップはこちらから

レコードの買取もしておりますのでお売り頂ける方は是非ご検討下さい。
こちらからご連絡下さい

レコード、オリジナル盤の音が良い理由



レコード屋などという仕事をしていると「この時代にどうしてレコードなんですか?」と聞かれることがあります。
「ただ単に音がいいからです」と答えると「えっ!嘘でしょ!」と大抵驚かれます。
そりゃそうですよね。普通に考えたって今はCDを超えてハイレゾの時代ですもの。
個人的には~70年代中盤くらいまでは当時のLPの音が一番良いのではないかなあと思っています。
ただ各国でマスタリング、カッティングも違うので一概にどの国が一番とか絶対レコードが一番とは言えないのですが。
先日、「フォーマットによる音の順位:78’s > 45’s, LP(Vinyl) > 俗にハイレゾといわれるもの > CD > mp3」というツイートをしたのですが「ハイレゾの方が音が良いですよ!」と言われたりしました。
そのツイートを読んで頂いた方、言葉不足でした。すみません。
確かに最新の録音はLPよりハイレゾの方が音がいいと思います。
機材も変化してきていますし、しかも今のフォーマットに合っています。
現在のオーディオも同様にそのフォーマットに合っています。
でも古い録音はやっぱり当時のフォーマットに合った物の方が音が良いと思います。
それは周波数帯域が広くてフラットというような理由ではありません。
50年代や、60年代に録音された音源のマスターテープって時間と共に劣化していくんですよね。
(それ以降のものだってもちろん磁気テープは劣化します)
古い物は数時間たつだけでと高域が僅かに劣化して、更に経過した時間と共に更に劣化していくんだと言う方もいました。
同タイトルで当時の原盤と最新のマスタリングされたアルバムを比較するとなにが一番違うかというといえば『空気感と実体感』なんです。
特に50年代のジャズに顕著だと思うのですがオリジナルやニア・オリジナルの盤にある「ふわっ」とした感じと特にアタック感のある高域の「クピーッ」と抜けるような痛快な実体感。
その『空気感と実体感』がマスターの劣化により減っていたり、無くなったりしてしまうんでしょうね。
やはりその『空気感と実体感』というのはリマスタリングによって最復元することが一番難しいところなのだと思います。
そんな理由で多くのレコードは現在発売のレコードよりも録音された時に一番近い時に発売されたレコードが基本的には一番音が良いと考えます。(もちろん違う物もありますよ)

33 1/3、45回転レコード以前のフォーマットである78’sは更に実体感が強くその音の良さにはビックリする程です。
78’sは過渡特性が良いからかななどと勝手に思ったりしていますがどうなんでしょうね。
もし機会がありましたらElvis Presleyなどの78’sを聴いてみて下さい。
あまりにも暴力的なパンク感に痺れることと思います。

オリジナルのレコードって本当にいいですよ!

レコードの買取もしておりますのでお売り頂ける方は是非ご検討下さい。
こんな事↑を書いておりますが勿論リイシューも大歓迎、よろしく御願い致します。
こちらからご連絡下さい

もちろん販売もしていますのでこちらもよろしくご検討ください。

サボテン・レコードのネット・ショップはこちらから
ブログ 『レコード店を考えてみる』 はこちらから

Donald Fagan / The Nightfly USオリジナルについて

ご存じAOR名盤の1枚。40~50代の方で「当時聴いたよ~」という方も多いと思います。
時々巷で真実のように語られている
「初回プレスは上部の文字が2色になっていて、2ndプレスから1色になるんだよ」
ですがこれは間違いです。
たしかに2色カバーが少なめなのは事実です。
しかしプロモ製作の段階で既に2色文字も1色文字の2つのカバーが存在しています。
しかもプロモは高音質のQuinex II仕様ですので、たぶんこのタイプは初回しか製作されていないと思われます。

なぜこのようなことになったのか3つのストーリーが考えられます。

(1) 発売元のWarner Brothersは2色文字の方がアーティストもタイトルも目立つのでそちらを勧めたとは思います。
一旦はOKを出したDonald Fagenですが、製作されたものを見てやはり気に入らなかったのでしょう。
2色文字カバーをボツにして、残りの分を1色文字で刷った。

(2) 2色文字カバーはボツになったにもかかわらず、製作担当者が文字部分の色指定を2色のまま工場に発注してしまった。
出来上がってきたカバーを見て担当者は慌てたが、作った2色文字カバーの枚数が多すぎるので「しかたない、使ってしまおう」ということで使ってしまった。

(3)元々数種類のカバーを製作した。

ファンの方でしたらやっぱり(1)だと考えたいですよね。
私共もちょっと前までは(2)の様な凡ミスじゃないかと思っていました。

でも答えは(3)のようです。

下の写真は買付の時に見かけたものです。
いい加減な印刷のせいなのか、はたまた工場の差なのかと思ったのですが、よく見るとアルバムにコントラストをつけるためにカバーの文字とインナースリーブの色違いにして合わせていることからデザインの段階でこの様に指定されていたのだと思われます。
ということは色指定が間違っていたということは考えられなそうなので(2)という説はなさそうです。

私共が知るかぎりでは1色文字のカバーでも3種類の色を使い分けています。
2色文字のカバーを合わせると全部で4種類のカバーがあることになります。
Led Zeppelinの“In Through the Out Door”の様にそれなりに違えばすぐ分かったのですが、この妙な細かさがコレクターを悩ませていたんですね。

オリジナルなんか関係ない方が読んだら「どっちでもいいじゃないか!」という話ですが、オリジナルにこだわりを持つ方にはちょっと興味深い話ではないでしょうか。

どちらのカバーが好きかと聞かれれば1色カバーの方が統一感があって好きです。
でも売るならということなら、ちょっとレアな2色カバーですね。
Donald Fagen/The Nightfly 2色レーベル販売中(売れてしまっていた場合はお許しを…)
サボテンレコードのWeb Shopはこちらから

アメリカ人大好き!“Whipped Cream & Other Delights”

アメリカ人大好き!セクシー!“Whipped Cream & Other Delights”
と書いても「いったいそれ何よ」と思う方も多いと思いますが、そうこのアルバムのことです。



ほら知っている方も多いでしょ。

オールナイト ニッポンのテーマ「Bittersweet Samba」とTBSラジオで放送されている「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」に使用されている「Whipped Cream」が収録されています。



最近ではお色直ししてこんな風になっているみたいです。

日本に住んでいるとまあちょっとセクシーなジャケくらいの認識しかないのですが、これがアメリカ人が大好きなんですよね。
色々な模したヴァージョンがあるわけです。
というわけで今回はそれらを特集してみたいと思います。



まずはSweet Cream、ソウルのアルバムを購入されている方でしたら見たことがあると思います。

Soul Asylum
こちらは見た方も多いでしょう。よく見ると「ううっ」魚が臭そうです。


あまり嬉しくないと思われる方も多いでしょう。
The Frivolous Five
赤い薔薇が一番綺麗です。


ちょこんと載ったクリームが素敵。
Dave Lewis


これはさすがに気持ち悪いって…
Pat Cooper


ヴァイオリンまでも犠牲になります。
Vienna State Opera Orchestra


最近ですと他にもこんなものがあります。


こちらはたいへん愉しそうです。

リンク先はちょっとセクシーですので気になる方は行かないで下さいね。
http://christameola.com/blog/boudoir/whipped-cream-other-delights



このジャケが大好きな方にはこんな物も販売されています。
いかがでしょうか?

Esquire誌に掲載された他の写真はこちら、かわいいですね。


モノクロームの質感も素敵です。


こちらでは現在のお姿が….
見たくない方もいらっしゃると思いますので写真はやめておきます。
興味がある方はこちらからどうぞ↓
http://1001-songs.blogspot.jp/2011/03/interview-with-whipped-cream-other.html

Herb Alpert’s Tijuana Brass/Whipped Cream & Other Delights販売中!

サボテンレコードのWeb Shopはこちらから

こちらのページを参照しました。
http://www.vinylbeat.com/album-2-whipped.html

Verve Tラベは「溝あり」がオリジナル?


Verve T-MGMレーベルとはレーベル左下部に「MGM」の文字があり、中央に大きな「T」があるレーベル物でMGMが買収後のVerveのことを指します。
このレーベルは溝無しが東海岸プレスオリジナル、溝有りが西海プレスオリジナルです。
一部の方がオリジナルは「溝有り」で「溝無し」は2ndプレスと言われますが間違いです。

お客様から何度も「溝無しプレスは2ndです」とご連絡いただくとさすがに、どうしてもお客様にもこのことを知っていただきたいと思い掲載しました。

白いプロモ盤は西海岸プレスで溝有りです。黄色いプロモ盤は東海岸プレスで溝無しです。
極稀に違う物もございますが、黄色い溝有りプロモ、白い溝無しプロモはほとんどない事からこのことが正しいとご理解いただけると思います。

Marvin Gaye “What’s going on” USオリジナル「初回プレスは盤が厚く、オイル・ショックの影響で2ndプレスから盤が薄くなるんだよ」は真実か?




誰もが知る、ご存じ大名盤。でもこのアルバムのオリジナルってどんな仕様?って思う方もいるかとは思います。
カバーはWジャケ、レーベルは70年ですので上部茶色に下部が黄色のレーベルです。
レーベルの色は濃いめがオリジナルだと思います。

問題は巷で真実のように語られている
「初回プレスは盤が厚く、オイル・ショックの影響で2ndプレスから盤が薄くなるんだよ」
ですがこれは間違いです。
元々モータウンは自社工場を持っていなかったため、プレスは社外に委託していました。
本来使用している工場のプレス数が出荷予定数に満たなければ、当然別の工場でプレスをします。
この様な理由でこのアルバムの一部はRCAの工場で盤の薄いDynaflex仕様で製作されたと思われます。
このRCAが開発した盤が薄いDynaflex盤は69年末に製作を始めており、しかも第一次オイルショックは73年です。
ですので薄い盤をお持ちの方、それはオリジナルです。ご安心下さい。

えっ、そんなこと信じられない?
まあそれはそれでかまいません。そんなどうでもいいようなところにこだわるのが愉しいんですよね。

レーベルの種類もそれなりにあり、気付く点は他にもあるのですが、それは次回に。


そのつづきはこちら
Marvin Gaye “What’s going on” USオリジナル盤のレーベルについて

サボテン・レコードのネット・ショップはこちらから

レコードの買取もしておりますのでお売り頂ける方は是非ご検討下さい。
こちらからご連絡下さい