クレームのお話 (2)



今回も「クレームのお話」です。
前回はこんなクレームがありました。
でもそれってお店にとってはありがたい事でもありますと言うことを書きました。
お店や通販を生業としている方で書いてあることは分かるけど…それでも、理不尽なのはどうしても耐えられないと思う方も多いと思います。

今回はどうやって、そのいたたまれない気持ちをどう抑えていくかということを書きたいと思います。

まず今回は私共がお客様の気持ちを汲み取ってあげれなくてスミマセンという例を取り上げてみました。

またまたヤフオク!の例ですが
500円のレコードを落札された方がいらっしゃいました。
当然「落札ありがとうございます」というメールを送付したのですが
帰ってきた返事は
「500円のレコードに送料600円(当時)はいかがなものかと思います。送料の再考をお願いします」
送料はオークションのページに書いてあるし…困っちゃったな。
再考する余地もないので「…申し訳ございませんがオークションのページに最初より記載してありますので何卒ご了承ください」
返事は
「(オークションページに)書いてあるので今回は支払いますがどうして500円のレコードに送料600円払わないといけないのか意味がわかりません」
…う〜ん、申し訳ない、でも意味が分からないのはこっちもなんです。

ヤフオク!って通販でレコードを買ったことがない方が買ったりもするので当店がお客様に送付する落札メールは若干長めなんです。
送料について、送付方法など40行弱説明しています。
お客さんからのご指摘の度に直して、間違い無いようにお客さんに伝えるられるようにしていったら最初は10行くらいだったものが40行弱まで伸びてしまったのです。
これでよし、概ね間違い無い!って思ったところに新たなクレームがやってくるのです。
「御社の落札メールは送付方法など細かく記載がありますが、これはただ単に問題があった場合の逃げ口上のように感じます。普通の方でしたら分かる事をつらつら書くのはやめて頂きたい」
はい、そうなんですけど…みなさん良くお分かり頂いているお客さんみたいな人ばかりじゃないんです。
すみません。
短ければ短いで問題があり、長ければ長いで問題とは悩ましい事です。

500円のレコードに新品の外袋が付属していないと責める方。
「○○という店では300円のレコードでも新品も袋をつけてくれますよ!」
「申し訳ございません。当店ではその様なサービスは行っておりません」
「だったらそこで買えばいいじゃない…」という言葉が喉から出そうになりますが…ご満足させてあげられないこと、申し訳ないです。
お客様、できれば
100円で買って1000円で売るレコードは儲からない
を読んで頂きたい。
ご理解して頂けないかもしれませんが…

当店は盤をカバーの外に出して送付するんですが
「そんなレコード店初めて見ました、ありえません。最低です」とメールを送ってくるお客様。
え〜っ、レコードって底割れしないように盤を外に出して送るものなんじゃないの〜
そうか、それは常識じゃないのか、仕事って難しい…

オリジナルと書いたのを見て「これは初回プレスですか、最初につくられた物という保証はあるんですか」
と聞いてくるお客様。
「申し訳ございません。そこまでは分かりかねます。レーベル、カバーの仕様が初回にプレスされた物と同様ですと2回目でも、3回目でもオリジナルなります」
「それじゃ、オリジナルと言えないじゃないですか」
…はいそうなんですけど、本みたいに2版目、3版目とは書いてありませんし…どの店もそうしていると思うのですが…
そんなお客様に聞きたい、どうやって見分けるのかと…

ヤフオクにThe StoogiesのFun Houseのオリジナル(バタフライレーベル)を出品したところ
「これはオリジナルじゃないです。オリジナルは赤レーベルです。権威あるGoldmine誌でもその様に書かれています」
と質問欄に…
「ご質問ありがとうございます。ご指摘の件ですがFun Houseのオリジナルはバタフライレーベルになります。赤レーベルはカナダ盤だと思います。またGoldmine誌に権威などはございません…」
そうなんですよね書籍ってたまに嘘を書いてあるんですよね。存在していない物を存在しているとか、オリジナルじゃない物をオリジナルといったりと、それを信じてしまうのは仕方無いのですが、そんな嘘をがっつり言われるとなんか凹みます。

前回書いた『メールで「○○郵便局留めにしてください」』には続きがあって
「お宅の従業員の受け答えが酷いのでクビにしなさい」
「申し訳ございません。さすがにそれはできかねます」
「だったらもうお宅からは買いません」
「この度は本当に申し訳ございませんでした。いままでありがとうございました」
「ホントに私の言うことがきけないんですね」
「はい、申し訳ございません」
確かに従業員の対応が少し悪かったのかも知れません、でも分かるでしょ、クビは切れないです。
ごめんなさい。

前回の「例をもっと書いてくれ」というメールに応えて書いているうちに本題を忘れそうでした。
そう、今回はどうやって、そのいたたまれない気持ちを抑えていくかということでした。

前回書いた個人的には理不尽だなあと思う例はこれといって怒りたくなることはありません。
ただ、ただ面白いな~と思うだけですので気にならないのです。

私自身もそれほどよくできた人間ではありませんので腹が立つときもあります。

でも販売する側である私たちがお客様に怒ったりしたら火に油をそそぐだけです。
どんなことを書かれていてもお客様は悪気はない、ただ書き方が悪いだけと思いましょう。
そう、自分はこんな風に処理します。
→ひどいメールがくる
→腹が立つ
→一旦メールを閉じて平常心になる時間を持つ
→ひどい言葉を削り、読んで内容を理解、普通のメールだと思い込む。
→丁寧に返す。
こちら側から見た正論をキッチリ言ってもなかなか理解して頂けないんです。
そう、こっちから見た正論は、お客様にとっての正論ではないんですから。
まずは相手の立場に立って理解、そこから自分たちができないことはできないと丁寧に説明して謝るしかないんですよね。

誰だってひどいメールが送られてきたら腹が立ったり、落ち込んだりすると思います。
ですのでお客様、お願いがございます。
クレームのメールを送付したいときにはできるだけ丁寧な言葉遣いで送って頂きたい。
あなたの優しい言葉が私共の心を開き、普段はできないことをお客様の為にするかもしれない。
あのイソップ寓話*「北風を太陽」のお話を思い出して頂きたいのです。
「それを思い出さなくちゃいけないのはお前だよ!」と言われれば「はい、その通りです」としか言えないのですが…

こんな風に書いてもいつも思う事があるのです。
自分が言っていることが正しいのかなと?
お客様が言っていることが正しいのかもしれないと。
ですので今回あげた例でもお客様の中には「間違っているのはサボテンレコードでしょ」と思う方もいると思います。
それはそれでいいのではないかと思います。
でも私共もそう思いながらもお客様のご希望に添えないことも多いかとは思います。
ですので最初に謝っておきますね。
申し訳ございません!

次回は「レコードの転売で食べていけるか?」を予定しております。
レコード好きならやってみたい?転売生活を考えてみたいと思います。

サボテン・レコードのネット・ショップはこちらから
ブログ 『レコード店を考えてみる』 はこちらから

*ご存じない方はウィキペディア「北風を太陽」をどうぞ