レコードの知識について



今回は「レコードの知識について」です。
売れるレコードを憶えるのが簡単なジャンル、難しいジャンルはどれなのかというような事を書いていきたいと思います。
自分が基本的な部分で分かるジャンルはロック、ジャズ、ヴォーカル、ブラジル、ソウルです。
それぞれの専門店の様にキッチリ深くは追求しきれていないのでおおよそということになりますがその点ご容赦ください。
他レゲエやクラシックなどのジャンルもありますがほぼ門外漢ですのでそこには触れません。

私が知っているかぎり最も憶えやすいのはヴォーカルです。
売れるタイトル数も多くないですしジャズ批評社から以前出版されていた「ヴォーカル読本」などを読めば概ね売れ筋はわかると思います。
大物歌手以外はリイシューの種類も少なめですので初心者にも分かりやすいと思います。

二番目に憶えやすいのはジャズです。
ユーロ・ジャズ・マイナー盤、USマイナー盤という憶えにくい部分もありますが、概ね高価で販売できるタイトルはBlue Note、Prestige、Riversideジャズ三大レーベルと誰でも分かりそうなところから、Bethlehem、Savoy、Columbia等と憶えていけば割合簡単に憶えられるかと思います。
または名盤といわれるものから憶えていくのも正しい方法だと思います。
ジャズはリイシューもそれなりにありレーベルやカバー裏面のアドレス違いやレーベルの溝有り、溝無しで大きく価格が変わります。
間違ってリイシューに高いお金を出して買ったりすると簡単に赤字になるので気をつけましょう。

残りはどれも一癖ありでちょっと大変です。
ブラジルはボサノヴァ、MPB*、サンバ、ショーロ等ありますが売りやすいのはボサノヴァ、MPBと限られます。
最新の書籍ですと「ブラジル・インストルメンタル・ミュージック・ディスクガイド」、若干古い書籍ですと「ムジカ・ロコムンド」や「ボサノヴァ・レコード辞典」などを読めば概ねの売れ筋が分かると思います。
ただしブラジル本国でボサノヴァやその付近の物は高額になっているので利益を得られそうなレコードは「その本に載っていないレコード」ということが難点でしょうか。

ソウルは価格変動幅が他のジャンルに比べると若干大きめですのでその時の価格が分からないと難しそうです。
ソウル、レア・グルーブ関連の書籍は多いですし憶えるのはそれほど難しくはないと思います。
しかし激レアなLP、45’sは見つからないし、高いしと二重苦です。
別のジャンルからピックアップしてダンス・ミュージックとして提示していくのが今、旬の方法のようです。

最も大変なのはロックです。
販売された枚数が多いだけあって憶えるのも大変です。
ジャズはひとくくりでジャズ専門店で経営することになりますが、ロックは更に細分化されたジャンルで経営することができます。
ビートルズ専門店、サイケデリック・ロック専門店、プログレッシブ・ロック専門店、パンク・ニューウェーブ専門店等々、いかに憶える量が多いか分かって頂けると思います。
売れているバンドも多いので1stプレス、2ndプレス、3rdプレス…と数多くあり、それぞれで価格が変わってきますし、ちょっとしたエラー・カバーなどで価格は大きく変わるのでそこも押さえておかなくてはいけません。
アルバム毎のインナースリーブや付属品の知識も必要です。
更に辛いことは現在レーベルの種類だけでなく、お客様が**マト番にこだわりだしたことでしょうか
主要なアルバムはこの番号についても押さえていなければなりません。

まあどのジャンルを扱うにしても好きでなければやってられない仕事ですので好きなジャンルを扱いましょう。
レコード店を始める時や専門でやってきたけれど他のジャンルを扱いたいなと思ったときのご参考にして頂ければ幸いです。

次回は「レコードの価格について」です。
どうして「あの店では○○○円なのに、この店では●●●円なの」というお客様からよく聞かれる素朴な疑問についてを書きたいと思います。

* ブラジルのポピュラー・ミュージックのこと
** マト番 レコードのデッドワックスに記載されている文字のこと

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