クレームのお話 (1)



今回は「クレームのお話」です。
正直、当店の検盤は厳しい方ですのでそれほどのクレームを頂く事はありません。
以前は蛍光灯の下で検盤していましたがヤフオク!で買われた方から「思ったより細かなスレが多い」と言われてからは白熱灯と蛍光灯の両方使用し更に厳しく評価しています。

当店のレコードの状態は海外の検盤の評価方法を基準に簡単に言うと上から順にMint-(大変綺麗) / Exellent(綺麗) / Very Good+(まあ普通) / Very Good(若干悪い) / Good(悪い)になります。

以前ご購入いただいたお客様からこんな電話がありました。
「おたくから買ったレコード着いたんだけど、思ったよりノイズが出るんだけど」
…中略…
「お調べしたところお客様がご購入いただいたレコードはVGですので細かなスレ、傷などがあるのでノイズは出ると思います」
「でもVery Goodっていうことだよね」
「はい、Very Goodです」
「『Very Good』っていうのは『大変いい』って言うことだよね」
「普通に考えればそうなりますがグレーディングの表記上は違います。ウェブ・ページにもその様に書いておりますし…」
「いや、いや、そういうことを言っているんじゃないんだよ。常識で考えてあなたのやっていることは正しいのか?と言うことを言っているんだよ」
「はい、間違っていないと思います」
「そのグレーディングの基準を読まない人もいるだろう、そうしたら『Very Good』が『大変いい』じゃないのはおかしいじゃないかと言いたいんだ、分かる?」
「いやいや、そういうものですから、記載にも『スレ多く、若干傷あり』と書いてありますし、さすがにそれはご勘弁頂けないでしょうか」
「まあいいや、わかった。今回は仕方無いけど、表記は変えるべきだと思うよ。絶対おかしいよ!」
確かにこの表記って脈々と受け継がれていますが日本人にはちょっと変だなとは思いますよね。
海外の方に販売することもちょこちょこあるので変更することもできないのです。
表記でご不満の方、確かにそうかとは思いますが、当店できるだけ詳細に記載しておりますので何卒ご理解の上お許し下さい。

こういうレコード好きなら「そうだな」って思う話なんですが知らない方には全くおもしろくないですよね。
すみません。

そうそう
ヤフオク!で落札した方で落札翌々日、開店すぐにご連絡頂いた方がいらっしゃいました。
もう大変お怒りで
「落札後すぐにメールをするのが普通だろう! こっちは心配でずっと待っていたんだからな」
「申し訳ございません。昨日は当店休業日でしたのでメールを送付することができませんでした」
「普通の人なら落札後、午前2時くらいまでにはメールしますよ! どうしてそんな簡単な事ができないんですか」
「申し訳ございません。営業時間が午前11時から午後5時までですのでその間に返信するようにしております」
「そんなことで仕事と言えるんですか! 休みだろうとなんだろうとメールチェックして返信するのが普通でしょ!」
「申し訳ございません」
「そんなんじゃ、友達に紹介できないよ」
「はい、申し訳ございません。そのような対応は現在できかねますので、お友達に紹介はしないでください」
いやぁ〜そんなことできないです。ごめんなさい。

その時働いていた従業員は「私が休みの日とかチェックしますよ」と言ってくれたのですが….
(優しいねえ)
「いや、いい。そんな人ばかりじゃないし、その為に休みの時間を無駄にできないし…」
と答えたのでございます。
(基本的には営業時間以外はメールチェックしません。何卒ご了承下さい)

こんなこともありました。
これもヤフオク!で落札して頂いた方の話なんですが
メールで「○○郵便局留めにしてください」ときたので
「当店佐川急便ですので佐川の○○営業所留めでよろしいでしょうか」と連絡したところ
電話がかかってきて
「どうして○○郵便局留めができないの!」
「はい、佐川急便ですので、○○郵便局に送付することはできないのです」
「ヤマト運輸はやってくれるわよ! どうして佐川じゃできないのよ」
「すみません。ヤマト運輸でもその様なサービスはないと思うのですが」
「あるわよ、*いつもやってくれるもの」
「そうなんですか、申し訳ございません。佐川急便にはそのようなサービスはないのでできかねます」
「じゃあ、今回からやってよ!」
「申し訳ございません。私共にそのようなことを決められる権限がございません」
「え〜っ! あんた達本当に使えないわね、じゃいいわよ佐川の営業所留めで!」
「ご希望に添えず、申し訳ございません。ご入金確認後早急に送付致します。宜しく御願い致します」
ふ〜っ、仕事って辛い…というよりここまでくると本当に凄い人に当たっちゃったなと、わくわく楽しくなってくるから不思議です。

先日あるお客様から「サボテンレコードのグレーディングはほぼ完璧だね」とお褒めの言葉を頂きました。
これも最初にあげた「細かなスレが多い」とご連絡くださったお客様がいなければ蛍光灯の下のみでの検盤で、お褒めの言葉はいただけなかったかも知れません、もしかしたら、サボテンレコードの検盤は甘めだからと思い、既に当店からの購入をやめてしまったかもしれません。
ちょっとした不備などを指摘してくれるお客様は本当に大事だと思います。
何も言わず「この店、ダメだな」と思って買わなくなってしまうのではなく、お客さんの時間を使ってわざわざ私共に教えて頂けることに大変感謝しております。
そしてそういうことの積み重ねが次に繫がっていくと思うのです。

(とはいってもお客様すべてのご要望には応えられませんので何卒ご了承下さい)

次回は「クレームの話(2)」を予定しております。

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ブログ 『レコード店を考えてみる』 はこちらから

*当然ですがヤマト運輸の郵便局留めサービスはありません。