思ったようにはうまくいかない


今回は『思ったようにはうまくいかない』です。
お店を始める時ってわくわくして成功することしか考えませんよね。
自分もそうでしたし、多くの方がそうだと思います。
ただ売り上げが悪かったときのことなどマイナス部分も考えておかないとダメなんだよなとも思います。

レコード店で一番大事なものはなんでしょう。
当店の様な廃盤ばかり扱っている店に関していえば「レコードの質と店の知名度」
これだけだと思います。

この2つの要件を満たしていれば必ず成功します。
でもそれは中々難しい。
どちらも中途半端だったらどうしたらいいんでしょう。
どうしたら売れるのか考えていろいろやってみますよね。
音楽雑誌に広告をだしたり、ちょっとしたセールをしてみたり。

そういうときに必要なのはやはり運転資金ですよね。
お金がないからといっても最初から信用のない私たちに銀行がお金を貸してくれるわけではありませんので最初に用意しておかなくてはなりません。
当店は割にマニア向けのレコード店ですので最初から売り上げが「0」に近いようなことはないと思っていましたので、開店時の運転資金はまあ3ヶ月ほどあればいいかなと思っていました。
でもがこれが間違いでした。売り上げはのべで自分の最低予想の約80%ほど、これが1年近く続きました。
お店の経営が軌道に乗るまで1年近くの時間がかかりました。
そうするとやはり運転資金も尽きかけます。
お店の開店から1年後2000年の3月、その月10日までの売り上げは今までで最低。
運転資金で残った金額は40万円ほど。
すべてドルに替えて残りは何とかクレジットカードでなんとか買付に行こう。
「これが最後の買付かも知れないなあ」と思いながら買付にいきました。

事態は突然好転します。いままで何をしてもこれといった成果も得られなかったのに、なぜか買付中から売り上げは上がり続け、なんとか店舗を維持することができました。

後から考えると当店はあまり知られていなかったため売り上げが上がらなかった。
お客さんに知ってもらえるまで1年ほどかかったということなのだと思います。

2000年頃はレコードも結構売れていましたし、景気の良いお店も多かったと思います。
「他の店がうまくいっているのに自分のところだけはうまくいかない」でもこれって別に悪い事じゃないと思います。
自分のところがうまくいっていないのは自分のせい、ほかの店の経営が順調なら自分もうまくやれば経営は軌道に乗るということなんだと思っていました。
他のお店が売れていると分かれば、ちゃんとやれば自分のお店も売れるはずです。
経営が順調になるまで必要な運転資金を用意できたのかどうか、サボテンレコードが存続できたのはぎりぎりで間に合っただけだったのだと思います。
あと2ヶ月売り上げが悪い状態がつづいたのならサボテンレコードは今、存在していなかったと思います。

何かを始めようと思うとき、成功すると思っていてもできるだけ多くの運転資金を用意しましょう。
もしかしたらその運転資金に用意した金額が成功と失敗を分けるかも知れません。

次回は『売れなくて、つぶれそうな時ってどんなかんじですか?』です。
頂いた質問に答えました。

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