1000円でレコードを売るような格安店を成功させるには



今回は1000円でレコードを売るような格安店を成功させるにはです。
「100円で買ったレコードを1000円で売って収益を上げるには」
の続きになります。

まずは問題点から。
商品が普通の中古レコード店にくらべて多く必要になる為、入荷枚数を増やさなくてはならない。
当然、商品を大量に売りさばかなくてはならない。
安いレコードというのはたくさんあるので入荷はそれほど難しくはありません。
多くの枚数を商品化して販売しなくてはならないことが大変です。

さあ、どう解決すればいいのか…
そうだ、そういう仕事で成功している本人に聞けばいい!
というわけでフラッシュ・ディスク・ランチの椿さんに聞きに行ってきました。

椿さんのツイッターを覗くと「突発的300円LP放出」云々、しかもたったの300円….
私共サボテン・レコードでは到底不可能な価格です。
「利益はあるんですか」と聞くと「それなりに薄いけど一応あるよ」とのこと。
300円でレコードをお店に並べるのは簡単です。
でもその300円のレコードをどうやって売っていったら良いのでしょう。
椿さんが言うには「お客さん自身の価値観で価値を感じなければお客さんは商品を購入する気にはならないでしょ。
人それぞれ価値観は違うので様々な方向からみるとそのレコードに価値を見いだしてくれるお客さんはいるし、その部分から得られる利益をコツコツと拾っていかないと意図のある安売りは成り立たないんだよね。
そのいうことを考えた上でその店なりの基準で価値をつけ直すことが大事なんじゃないかな。
そういう基準で考えれば300円のコーナーも良く売れるようになりますよ」とのこと。

フラッシュ・ディスク・ランチの場合、新入荷を300枚投入すれば1日で100枚以上売れるそうです。
私がいた間にも300円コーナーから20枚近くぬいている方がいました。
余談ですがフラッシュ・ディスク・ランチの300円コーナーには100円〜300円で購入した物をだけでなく、さらに少しはそれ以上の物も投入しているそうですので、そりゃ良いコーナーになるわけですね。

そして更にお客さんに購入したレコードに関連するレコードを薦める。
地道な努力なのですがそういうことこそ必要だそうです。

やはり一番の問題は10000枚買ってもすぐに商品化できないこと。
800円の商品は検盤、値札付け、外ビニールに入れることになるので商品化に時間がかかる。
300円の商品は検盤も簡略化し、値札もつけずレコードの袋にもいれないため商品化に手間がかからない。
そのぶんの経費がかからないため利幅が少なくても最終的な利益を考えると800円の商品より上なのでのではないかとの事でした。
やはり商品化するまでの時間をどう省くかということが大事なんですね。

仕入れで大事なことは800円、300円で売れる商品が分かる事、「300円ならLittle River Band、Amazing Rhythm Acesも売れるんだよ、サボテンさんには分からないでしょ」と言われました。
当店ではほぼ扱いがない価格帯のため1000円以下の商品は300円、500円、800円のどこの価格帯で売れるのかに関しては詳しくありません。でもここの見極めが重要なんですね。

そしてやはり音楽が好きなお客さんにどれだけ満足していただけるかということ。
椿さんが言うには『「音楽好き」のお客さんであればフラッシュ・ディスク・ランチの提供する商品の中からどんな自分にとって得になるようなお買い物をしていただいても、必ずどこかに店の利益になる部分がある一回のお買い物が店としては赤字になる*サービスだったとしても、そのお客様との長い付き合いからは必ず店に利益をもたらしてくれると思います』とのこと。

まとめてみると
1. 高額な商品だけでなく、1000円以下でも売れる商品も分かることが必要。
2. 低価格の商品は手間をかけずに商品化する。
(低価格の商品をヤフオクやネット・ショップを使用して販売するのは手間がかかる為難しい)
3.多くの方に店頭に足を運んでもらわなくてはならない。大きめの商業都市圏に店舗がないと不可能。
4. 音楽の知識が豊富で来店したに更にレコードを薦めて、次につなげるような営業。
5. どの仕事でも同じですがお客さんに満足していただけること。

このような事ができないと1000円でレコードを売るような格安店は難しそうです。

椿さんは「この仕事を長くやっているとレコードを売っているのか、ただレコードを運んでいるのかわからない」と言っていました。
なるほど、数をたくさん売っているとこんな気持ちになるんですね。

「よしこれでレコード屋をやってやるぞ!」と思う方は是非!

サボテン・レコードにこんなことができるのかと聞かれれば、勿論できません。
既に価格は若干違いますが似たようなことをして撤退済みですので。

次回は「格安でレコードを売ろうとしたけど撤退せざるをえなかった理由
サボテン・レコードがネット・ショップ開店から1年半ほど続けていた格安で販売する方法をなぜ撤退せざるをえなかったのかを検証してみたいと思います。

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