Bud Powell“Volume 1 The Amazing Bud Powell” Blue Note BLP1503 USオリジナル判別方法




今回は“Bud Powell / Volume 1 The Amazing Bud Powell”Blue Note BLP1503のオリジナル判別方法です。
当店はオリジナル盤を中心に販売しているため、お客様にちょこちょこ「どれがオリジナルですか?」と聞かれます。
というわけで今回その事に関して説明してみたいと思います。

まずはカバーの表から
通称「額縁ジャケ」といわれるタイプです。
背と上部に額があります。
縁取られているのが分かるかと思います。
ビニール・コーティングはされていません。
背のみの額縁のタイプやコーティング・カバーはオリジナルではありません。

裏面

裏面下部の会社の住所が“Lexington Ave.”の記載になっているものがオリジナルです。

次にレーベル
こちらも“Lexington Ave.”の記載がありその外側に溝があるレーベルがオリジナルです。
溝なしもあるかもしれませんが溝無しはオリジナルではありません。

ディスクの形状
フラット・エッジがオリジナルになります。
グルーブ・ガードがあるものはオリジナルではありません。
一応写真を撮りましたので確認してみて下さい。

フラット・エッジ(フラット・エッジとは外側のリード・イン部分に膨らみがないもの)

グルーブ・ガードがあるタイプ(ちょっと分かりにくいですがリード・イン部分に軽い膨らみがあるもの)

デッド・ワックスにはRudy Van Gelderのカッティングを表す“RVG”刻印と“P”と書かれたPlastyliteのシンボル・マークがあります。

この条件を満たしていればオリジナルです。
ご存じない方のご参考になれば幸いです。

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レコードの買取もしております。知識の有り無しで買取価格は大きく変わります。
お売り頂ける方は是非ご検討下さい。
こちらからご連絡下さい

Miles Davis“ Volume 2 ” Blue Note BLP1502 USオリジナル判別方法




今回は“Miles Davis / Volume 2 ”Blue Note BLP1502のオリジナル判別方法です。
当店はオリジナル盤を中心に販売しているため、お客様にちょこちょこ「どれがオリジナルですか?」と聞かれます。
というわけで今回その事に関して説明してみたいと思います。

まずはカバーの表から
通称「額縁ジャケ」といわれるタイプです。
背と上部に額があります。
縁取られているのが分かるかと思います。
ビニール・コーティングはされていません。
背のみの額縁のタイプやコーティング・カバーはオリジナルではありません。

裏面

裏面下部の会社の住所が“Lexington Ave.”の記載になっているものがオリジナルです。

次にレーベル
こちらも“Lexington Ave.”の記載がありその外側に溝があるレーベルがオリジナルです。
溝なしもあるかもしれませんが溝無しはオリジナルではありません。

ディスクの形状
フラット・エッジがオリジナルになります。
グルーブ・ガードがあるものはオリジナルではありません。
一応写真を撮りましたので確認してみて下さい。

フラット・エッジ(フラット・エッジとは外側のリード・イン部分に膨らみがないもの)

グルーブ・ガードがあるタイプ(ちょっと分かりにくいですがリード・イン部分に軽い膨らみがあるもの)

デッド・ワックスにはRudy Van Gelderのカッティングを表す“RVG”刻印と“P”と書かれたPlastyliteのシンボル・マークがあります。

この条件を満たしていればオリジナルです。
ご存じない方のご参考になれば幸いです。

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Miles Davis“ Volume 1 ” Blue Note BLP1501 USオリジナル判別方法




今回は“Miles Davis / Volume 1 ”Blue Note BLP1501のオリジナル判別方法です。
当店はオリジナル盤を中心に販売しているため、お客様にちょこちょこ「どれがオリジナルですか?」と聞かれます。
というわけで今回その事に関して説明してみたいと思います。

まずはカバーの表から
通称「額縁ジャケ」といわれるタイプです。
背と上部に額があります。
縁取られているのが分かるかと思います。
ビニール・コーティングはされていません。
背のみの額縁のタイプやコーティング・カバーはオリジナルではありません。

裏面

裏面下部の会社の住所が“Lexington Ave.”の記載になっているものがオリジナルです。

次にレーベル
こちらも“Lexington Ave.”の記載がありその外側に溝があるレーベルがオリジナルです。
溝なしもあるかもしれませんが溝無しはオリジナルではありません。

ディスクの形状
フラット・エッジがオリジナルになります。
グルーブ・ガードがあるものはオリジナルではありません。
一応写真を撮りましたので確認してみて下さい。

フラット・エッジ(フラット・エッジとは外側のリード・イン部分に膨らみがないもの)

グルーブ・ガードがあるタイプ(ちょっと分かりにくいですがリード・イン部分に軽い膨らみがあるもの)

デッド・ワックスにはRudy Van Gelderのカッティングを表す“RVG”刻印と“P”と書かれたPlastyliteのシンボル・マークがあります。

この条件を満たしていればオリジナルです。
ご存じない方のご参考になれば幸いです。

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Pacific Jazz モノラル盤のイコライザー・カーブについて


写真はランブリンボーイズさんから
https://twitter.com/ramblinboys



モノラル盤はステレオ盤のRIAA規格と違い、いろいろなイコライザー・カーブがあるのをご存じな方も多いと思います。
今回は私の不用意な発言からはじまったPacific Jazzのイコライザー・カーブについて書きたいと思います。

「マイナー・レーベルのPacific Jazzがイコライザー・カーブをつくる訳がないのが普通」

とツイートしました。
理由はAltecの古いアンプ A-440やMicIntoshにはPacificカーブの記載無かったこと、そして極小さなマイナー・レーベル故一所懸命に売っているリチャード・ボックが独自のイコライザー・カーブなんか考えるわけないだろうというのが理由です。

http://www.audiocircuit.com/Home-Audio/Altec-Lansing/440-A

そうしたらツイッターに「Pacificカーブありますよ」と頂きました。
「Pacificは1-13番まではAESですがその後の1956年まではPacificカーブですよ」とのこと。

「えっ。そんなこと聞いたことない」まあ自分がさほど詳しくないのにもかかわらずこんなことをツイートしたがいけないのですが…。
私はPacific RecordsってAES → RIAAだと思っていました。

確かにPJLP14裏面にプレイ時のイコライザー・カーブの記載がありました
イコライザー・カーブの記載はこれだけだったような気がしてエラーだと思っていたのですが違いました。
(こんな仕事をしているのにお恥ずかしいかぎりです)

というわけでツイッターで訊いてみました。

一応裏面の記載をアップします。
PJLP10

記載は何もありません。

PJLP11

↓「丁寧に録音して高音質を心がけてキャピトルのスタジオで録音したよ」みたいなことが書いてあります。


↓「new AESカーブ、NARTBカーブで再生してください」と書いてあります。

PJLP13

こちらも同様「new AESカーブ、NARTBカーブで再生してください」と書いてあります。

PJLP14

こちらも同様「new AESカーブ、NARTBカーブで再生してください」と書いてあります。

PJLP15

Exif_JPEG_PICTURE

ここから記載はなくなります。

とういうわけで一旦はこんな感じで終了かと思いました。

そうしたら翌日にRamblin boyさんから嬉しいお返事が。

Pacific Jazzの項目をみるとPJLP1 ~ 13はAES (なぜPJLP11までではないのだろうか?)
その下の項目 1953年までの33 1/3回転がPacific Jazz・カーブです。
なるほどLPは無いけどEPがあるからかと思いさくっと調べたのですがEPは45回転で33回転のものがない。
これが正しいのであればカーブはあるけどレコード自体がないということになるのですが
でもそうしたら何故このカーブが残っているのか?
わかりません!

Pacific Jazzのイコライザー・カーブは
PJLP1 ~ 11 : AES
PJLP12 ~ 14 : New AES=NARTB(NAB)
その後も : New AES=NARTB(NAB)?
1956年から RIAA
Pacific Jazz・カーブ自体はあるけどそれでつくられたレコードは無い。

という仮説が一番しっくりくるのですがいかがでしょうか?
皆様のご参考になれば嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。

恥ずかしながら勉強になりました。

Neu様、ランブリンボーイズ様、冗談伯爵様ご協力ありがとうございました。

ランブリンボーイズ様からご連絡いただいた参照記事はこちら
https://midimagic.sgc-hosting.com/mixphono.htm

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アメリカ盤のオリジナルってやっぱりジャケの発色とか違うの?



今回は「アメリカ盤のオリジナルってやっぱりジャケの発色とか違うの?」です。

今回も先に結論から
勿論、そういうものもありますが、タイトルによって違いますし、タイトルによっては何が何だかわからないものもままありますよ。
ということを書いてみました。

Red Garland “Red Garland’s Piano”
「退色じゃない?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが黒色の出方を見て頂ければ退色で無いことがおわかり頂けると思います。
右の2枚は以前プロモの存在を確認していますのでそれなりのばらつきがあることが分かります。

The Allman Brothers Band “1st”USオリジナルです。
どれもオリジナルですが(たぶん)製作工場によってかなり違うことが分かります。

The Beatles “Meet The Beatles”
オリジナルと初期プレスですが文字色違いすぎ

廣川さんからツイッターでご指摘頂きました。

確かに!60年代後半〜70年代初頭に製作されたワーナー・ブラザーズ関連のリイシューとかはホントその通り、薄くなっているんですよね。
それを写真に撮りたかったのですがリイシューの在庫が無いのでヴァーヴでチェックしてみました。
Ella Fitzgerald & Louis Armstrong “Ella & Louis”です。
左がセカンド・プレス、右がオリジナルです。
廣川さんのご指摘どおり右の色が濃いことがおわかり頂けると思います。
何枚もみているので間違いでははないかと思います。
「いままで書いてあることを考えたら、それ印刷の誤差の範囲じゃない」という方もいると思いますので最終的なジャッジはお任せ致します。
オリジナルの中にはコーティング・カバー・タイプもありますが比べにくいので今回は使用しませんでした。

さらに顔の部分をアップしてみました。
セカンド・プレスは頬の色が若干とんでしまっています。

ブルー・ノートでこんなものがありました。
色指定の指示が書かれたカバーです。
再プレス時に色指定を間違いないようにと保存されていたみたいですよ。

拡大してみました。

ここにははわかりやすいものを取りあげましたので、メーカー、またはタイトルによってほとんど変わらないものもあります。
皆様のご参考になれば嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。

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The Mothers Of Invention (Frank Zappa) “Absolutely Free” の USオリジナル盤について書いたつもりが新発見!?



The Mothers Of Invention (Frank Zappa) “Absolutely Free”のオリジナルについての考察、シルク・プリンティング・カバーがオリジナルなのかです。
今回はMONO盤で検証します。

最初に答えを書いてしまいますがシルク・プリンティングされているカバーは東海岸プレスのオリジナルです。
西海岸は別のカバーが使われます。
左上部のおでこの部分、”Absolutely Free”、裏面の縁取りされた”Absolutely Free”の白い部分がシルク・スクリーンでプリントされています。
レーベルは溝無しタイプになります。↓



当時ステレオとモノをカバーを作るときヴァーヴは紙を上下にずらして製作していたためモノ盤は背文字がずれてカバーの表にきてしまっています。
デザイナーが悪いのか?いい加減すぎなのか?個人的にはエラー・カバーかと思っていますが最後まで修整はされませんでした。
「じゃあエラーじゃないじゃん」と言われたら私の負けです。

次に西海岸プレスです。こちらはペイスト・カバーで溝有り、シルク・プリンティング・カバーではありません。
西海岸プレス溝有りのプロモ盤もこのタイプに入っていたので間違いはないと思います。
カバー表の”Absolutely Free”の文字は東海岸プレスに比べて上にあがり、裏面の縁取り部分の幅が狭くなっていることがおわかり頂けると思います。↓



「シルク・プリンティング・カバーで西海岸の溝有りが入っているものが無いのか?」といわれると稀に見つかります。
カバーが不足していたために東海岸から輸送して使用したのか、入れ替えられたのか、分からないというのが正直な所です。
数の少なさから個人的には入れ替えかなあと思いますが…

そして同時期か、僅かに後にプレスされたのかこのあたりが分からないのが2種類。
シルク・プリンティング・カバーでは無く通常仕様で品番の後に「X」があるものと無いもの、こちらも通常オリジナルといわれます。
もちろん人によっては違う意見もあるかとは思います。↓

次はエラー・カバー、シルク・プリンティングするのを忘れてしまったようです…と思ったら…

ここからの
ランブリンボーイズさんとのツイッターのやりとり

東海岸のオリジナルと比べるために2枚を並べてみます。
販売するんだったら枠付きが正しいですよね。(カバーがステレオになっていますけどお許しを)

久しぶりに裏面を見たときに気付きました。
3枚を比べた写真です。上から西海岸プレスオリジナル、東海岸プレスオリジナル、エラー・カバーになります。

白枠によりオリジナルにもともと記載されていた“WAR means WORK for ALL”他の文字が消えてしまっています。
本来のアート・ワークはこっちだったんですね!
自分は文字が消えていることなど全く気にしていませんでした。
さすがランブリンボーイズさん!よく見ている、おそれ入りました。
それにしても何も気にしていない自分にあきれます!
まあ気にしていなかったのは自分だけで知っている方は探していそうですが…

その後田尻さんからご連絡を頂きました。
「“WAR means WORK for ALL”の文字を消すためにシルク・プリンティングしたのかもしれませんね」とのこと、確かになかなか政治的な言葉ですのでヴァーヴは嫌いそうですね。
その文字は他に比べて薄く印刷されていることからヴァーヴもその事は気になっていたのでしょう。
そしてタイトルが目立たないと売り上げにかかわるという理由も付け加えて消させたのかもしれません。
まあ想像に過ぎませんが。
カナダ盤の裏ジャケを見れば真実が分かるかもしれませんのでカナダ盤をお持ちの方は是非チェックしてみて下さい。

ダウンタウンレコードさん主催の「FZ on Verve」で気になってちょっと書いてみました。
間違っているところもあるかとは思いますのでご存じの方はいろいろ教えて頂けると嬉しいです。
宜しく御願い致します。
お読みいただきありがとうございました。

田尻亘さん
ダウンタウンレコードさん
http://downtownrecords.jp/banana/
ランブリンボーイズさん
https://twitter.com/ramblinboys
にご協力頂きました。
ありがとうございました。

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Verve T MGMレーベルについて



Verve T-MGMレーベルについて
Verve T-MGMレーベルとはレーベル左下部に「MGM」の文字があり、中央に大きな「T」があるレーベル物でMGMが買収後のVerveのことを指します。
このレーベルは溝無しが東海岸プレスオリジナル、溝有りが西海プレスオリジナルです。
一部の方がオリジナルは溝有りで溝無しは2ndプレスと言われますが間違いです。
私共もこの様に批判めいたことを記載したくはございませんが、お客様から何度も質問欄に「溝無しプレスは2ndです」とご連絡いただくとさすがに、どうして…と悲しい気持ちになりますし、お客様にもこのことを知っていただきたいと思い掲載しました。

白いプロモ盤は西海岸プレスで溝有りです。黄色いプロモ盤は東海岸プレスで溝無しです。
ごく稀に違うこともございますが黄色い溝有りプロモ、白い溝無しプロモがほとんどないことからこのことが正しいとご理解いただけると思います。

この件に間違いがあるようでしたら遠慮無くご連絡ください。
訂正させていただきます。

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こんな事↑を書いておりますが勿論リイシューも大歓迎、よろしく御願い致します。
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Miles Davis“Milestones”の完全オリジナルはレーベルに“Miles”と誤記されているタイプなのか?



マイルス・デイビスのマイルストーンズといえば彼を代表する名盤の1枚です。

当店はオリジナル盤を中心に販売しているため、たまにお客様に「“Miles”と誤記されているのがオリジナルですか?」と聞かれます。

というわけで今回、その事に関して説明してみたいと思います。
まずはカバーから
と書いてもカバーはどちらも同じです。
裏面B1のタイトルは“Milestones”です。


次にレーベル。
オリジナルは6Eye(シックス・アイ)と呼ばれるレーベルで内側に溝があるタイプになります。
レーベルのB1が“Milestones”になっているものと“Miles”になっているものがあります。
たまに言われるのが「この“Miles”になっているのもが完全オリジナルだよ」なのですが本当にそうなのでしょうか。


比べてみるとちょっとレーベルのデザインが違います。
レーベルを製作した工場が違うようです。
これだけだとどっちがオリジナルか分からないですよね。

最初に製作したであろう白ラベのプロモ盤でどちらがオリジナルか考えるのが妥当ではないでしょうか。
こちらが白ラベプロモ盤です。

プロモは“Milestones”表記ですの普通に考えれば“Miles”と誤記載されているものはエラー・レーベル扱いで「完オリ」というのは間違いだと思います。
しかもこのエラーはレーベルにCBS有りのセカンド・プレスになっても訂正されませんでした。
もちろんどちらもオリジナルですのでお持ちの方はご安心下さい。

と書いたところでtwitterで想也さんからご指摘をうけました。

リイシューをほとんど調べていなかったので勝手に訂正しているものだと思っていました。
リイシューも調べたら表記はまちまち、正式なのは“Milestones”で通称が“Miles”なんでしょうかね。
これで著作権の管理ができるのかと思ってしまいますが…
それにしてもなんでこんなことになっているのでしょうかねえ。

想也さんありがとうございました。

ご存じない方のご参考になれば幸いです。
何か間違いがあったら是非ご指摘ください。
宜しく御願い致します。

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Marvin Gaye “What’s going on” USオリジナル盤のレーベルについて




『Marvin Gaye “What’s going on” USオリジナル「初回プレスは盤が厚く、オイル・ショックの影響で2ndプレスから盤が薄くなるんだよ」は真実か?』の続きです。

以前お客様から
「Marvin Gaye “What’s going on”のレーベルことで質問なんですが、TS品番とS品番の2種類があるのですがどちらがオリジナルですか?」
とお問い合わせをいただきました。
正直、私もいままでそれほど気にしていませんでした。
「カバーがTS品番ですのでレーベルはTS品番が後にT品番になるのではないでしょうか」と答えたのですが…
すみません。間違いでした。ごめんなさい。
レーベルのスタイルの事は気にしていたのに品番の事は気にしていませんでした。ダメですね。
お詫びにと言うわけではありませんが調べてみました。

レーベルの種類は「S」、「T」、「TS」の3品番があります。
まずはS品番
「A TRADEMARK…」の文字が上部に記載されているタイプ、RCAのDynaflexに近い若干薄い感じです。
A面のマト番はA4RS-2682-2-C、B面はA4RS-2684-2-B マシン刻印
(RCAのHollywood工場製と言われています)
…違うタイプのS仕様の盤もあります。(手元にそのタイプがなくどこのプレスかは不明です)



T品番
「A TRADEMARK…」の文字が左側に記載されているタイプです。
A面のマト番はA4RS-2682-2-D、B面はA4RS-2684-2-D マシン刻印
(盤は普通の厚さ、プレス工場は分かりません)


T品番
片面溝有りもありますよ
A面のマト番はA4RS-2682-2-D、B面はA4RS-2684-2-D マシン刻印
(プレス工場は分かりません)
さらに両面溝有りもありますよ(写真はありませんが)
A面のマト番はA4RS-2682-2-D マシン刻印 / B面はA4RS-2684-2-D マシン刻印
(こちらもプレス工場は分かりませんが上と同じだと思います)

TS品番
「A Trademark…」の文字が左側に記載されているタイプです。
これはRCA薄いDynaflex盤に近いことからRCAの工場で製作されたタイプだと思います。
A面のマト番はA4RS-2682-2、B面はA4RS-2684-2 マシン刻印
別のタイプでは
A面のマト番はA4RS-2682-2-A、B面はA4RS-2684-2 マシン刻印
後者はマト番の書体自体がRCAのプレスに近いのでこちらはまず間違い無くRCAのプラントで製作されたものだと思います。
(どちらもRCAのIndianapolis工場製と言われています)


以前販売した白ラベのプロモはTS品番でした。
写真が無くてすみません。
A面のマト番はA4RS-2682-2、B面はA4RS-2684-2 マシン刻印
(RCAのIndianapolis工場製と言われています。販売したことは無いですがRCA Hollywood工場製もあるんでしょうね)



最近ではT品番がオリジナルではないかという説もあるらしいのですがどれも同時代につくられたレコードだと思われます。
しかも溝有りのT品番がレアですので、それこそがオリジナルと思いたい方もいらっしゃるでしょう。
このアルバムは初回から数万枚単位で製作されているでしょうから、この珍しい溝有りのみがオリジナルと考えるのは難しいと思います。
白ラベのプロモ、そしてマト番から考えればTS品番の「2」枝番無しこそがオリジナルと思いたい方もいらっしゃるでしょう。
しかしこう並べてみるとこのアルバムはRCAのIndianapolis工場とRCAのHollywood工場を中心に製造され、マト番はただ単に工場毎で割り振られている可能が高そうです。
フラット・レーベルの黒文字でしたら当時のオリジナルと思っていいのではないでしょうか
というわけでご購入の際はお好きなタイプをお選び下さい。
プレスにかなりばらつきがあるため、自分だったらプレスが良くて音が良い物を選ぶかなあと思います。



今回はあまりにもマニア向けすぎ…ですね。
一部想像で記載した所もありますので間違っているところもありそうです。
ご存じの方はいろいろ教えて頂けると嬉しいです。
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ステレオの一部はコロンビア・カーブで録音されているのは本当か?

「ステレオの一部はコロンビア・カーブで録音されているのは本当か?」というお話。

一部でもりあがっているらしいのが「80年代近くまでコロンビア・カーブで製作されたレコードがあり、コロンビア・カーブで聞くと音がいいですよ!これって本当ですか?」
最近、ちょこちょこ言われるのでちょっと調べてみました。

聴かずに考察するのもいかがなものかと思いますのでたった2枚ですが自分でも試聴しました。

使用した機材はVenetor VT-MPEQ モノラルレコード専用マルチカーブ・イコライザアンプ。
(仕様上、ステレオをモノラルにミックスした形になります)

Bob Dylanの『Highway 61 Revisted』
高い音圧はなくなるものの確かに音が変わって見通しが良くなってすっきり、聞きやすくなりました。
ガッツはなくなりますが、これはこれで良いですね。この音、好きです。
これはコロンビア・カーブの方が低域の補正、高域の補正ともRIAAに比べて浅いからです。
(他のも少し聞きましたがたいていのアルバムをコロンビア・カーブで聞くとすっきりして音が良くなった?ように聞こえますよ)
だからといってこれが本当にコロンビア・カーブで録音されたものと考えてよいのでしょうか。

試聴した音から考えると「コロンビア・カーブで製作説」の気持ちも分かるのですが「コロンビア・カーブ説」が正しいのであれば製作したアーティストもエンジニアもプロデューサーも浮かばれないですよね。
だって彼らは最終チェックをRIAAカーブの装置で決めているはずです。
アーティストやプロデューサーがサンプルを持って帰って自分の家で聞いたら製作したときの音と違うなんてことがあったら大変ですよね。
しかも45/45方式のステレオはおおよそ初期からウエストレックス社のカッティング・マシンをつかっていると思われます。
そのマシンというか、ステレオの規格自体がRIAAカーブですからそれをわざわざ変更するでしょうか。
特にコロンビアはステレオ・レコードを強く推進していた会社ですから既にRIAAカーブ規格が確定しているものをわざわざ音が変わってしまうコロンビア・カーブで録音するなどということはありえないと思います。


Bobby Hutcherson 『Happenings』

ルディ・ヴァン・ゲルダー(以下ヴァン・ゲルダー)の録音についてです。
ブルーノートがAESカーブからRIAAカーブに移行したのが1956年頃と言われています。アルフレッド・ライオンが変更を希望したのか、それともヴァン・ゲルダーが変更したのか分かりませんが音にこだわりのあるアルフレッド・ライオンですから、変更後にヴァン・ゲルダーが録音し、カッティングしたものはすべてRIAAカーブでしょう。
ヴァン・ゲルダーが既に統一されたRIAA規格以外で会社毎にカーブを設定してカッティングを行ったと考える人はいないと思います。
ですのでブルーノート、プレスティッジ、ヴァーヴのデッドワックスに「Van Gelder」刻印があるタイトル、インパルスのデッドワックスに「Van Gelder」刻印があるタイトルはRIAAカーブです。
それ以前に録音したブルーノート、プレスティッジの諸作で「RVG」刻印のあるものはAESと考えるのが妥当だと思われます。
まあRIAAカーブに移行した年はもう少し後になるかも知れませんが、ステレオ盤を製作する際にはRIAAカーブでのカッティングで間違い無いでしょう。

ただしブルーノートにしろプレスティッジにしろ50年代にAESカーブで製作された物が56年以降すぐにRIAAに切り換えたとは考えられませんので再プレスなどはAESカーブのままだったりする可能性は大きいでしょう。(プレスティッジの裏面に「RIAA」と書かれていてもスタンパーが変わっていないし…確認してないけど)

ブルーノートの聴感ったってコンプとイコライジングでぐりぐりになった強力にジャズっぽいヴァン・ゲルダーの音は摩訶不思議なのでカーブなんてどうでもいいので良く聴ければもう何でもいいやという気もしますが…

問題は当時の音作りと現在の音作りが違うと言うことと、当時のモニター・システムと現在の聴くシステムが違うということになると思います。
音作りですが昔はSP時代からの流れで前に、前に出てくるサウンド、現在は若干後ろに定位するサウンドだと思います。(極端すぎる説明ですが…)
モニター・システムも昔は当然のことながら現在より低音も高音も出ないシステムです。
高音、低音ともブーストしたサウンドこそが当時は普通に聴けたのかも知れません。
そう考えると当時の試聴されたカートリッジ、スピーカーなどを使ってチェックしてみないとそのカーブが正しいのか分かりにくいということがあります。
制作者がどのような意図をもって音を作り込んでいったのかどうかが私たちリスナーには分からないので必ずしもイコライザー・カーブを聴感で決定することができないのではないでしょうか。
くり返しになりますが、リスナーがRIAAカーブの装置で聴くのに、制作者の意図がリスナーに伝わらないコロンビア・カーブでカッティングするなどということはありえません。
自分の耳より普通に製作システムで考える事が正しいと思います。

もちろんコロンビア・カーブで聞くと音が良く聞こえる場合があることを否定しているわけではありません。
それぞれの方の好みがありますから。

自分はステレオ盤は「RIAAカーブの製作で間違いなし!」と考えますがこれを読んだ皆さんはどう思われたでしょうか?

「たかだか趣味ですのでお好きな様に!」と書きたいところなのですが…アーティストやプロデューサー、そしてレコード会社のことを考えるとさすがにそうは言えないので、誤ってステレオ盤もRIAA以外のカーブで制作派になってしまった方はRIAAカーブ派に寝返って頂きたい!
そんなことあるわけないですよ〜! カム・バ〜〜〜ック!

試聴で使用した機材はこちら
音質も素晴らしいので気になる方は是非ご検討下さい。
試聴記事はこちら
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カーブについて詳しく知りたい方はこちらに記載がありましたのでどうぞ
http://www.ann.hi-ho.ne.jp/aria/amp/EQ-curve.htm