The Mothers Of Invention (Frank Zappa) “Absolutely Free”のオリジナルについての考察、シルク・プリンティング・カバーがオリジナルなのかです。
今回はMONO盤で検証します。
最初に答えを書いてしまいますがシルク・プリンティングされているカバーは東海岸プレスのオリジナルです。
西海岸は別のカバーが使われます。
左上部のおでこの部分、”Absolutely Free”、裏面の縁取りされた”Absolutely Free”の白い部分がシルク・スクリーンでプリントされています。
レーベルは溝無しタイプになります。↓
当時ステレオとモノをカバーを作るときヴァーヴは紙を上下にずらして製作していたためモノ盤は背文字がずれてカバーの表にきてしまっています。
デザイナーが悪いのか?いい加減すぎなのか?個人的にはエラー・カバーかと思っていますが最後まで修整はされませんでした。
「じゃあエラーじゃないじゃん」と言われたら私の負けです。
次に西海岸プレスです。こちらはペイスト・カバーで溝有り、シルク・プリンティング・カバーではありません。
西海岸プレス溝有りのプロモ盤もこのタイプに入っていたので間違いはないと思います。
カバー表の”Absolutely Free”の文字は東海岸プレスに比べて上にあがり、裏面の縁取り部分の幅が狭くなっていることがおわかり頂けると思います。↓
「シルク・プリンティング・カバーで西海岸の溝有りが入っているものが無いのか?」といわれると稀に見つかります。
カバーが不足していたために東海岸から輸送して使用したのか、入れ替えられたのか、分からないというのが正直な所です。
数の少なさから個人的には入れ替えかなあと思いますが…
そして同時期か、僅かに後にプレスされたのかこのあたりが分からないのが2種類。
シルク・プリンティング・カバーでは無く通常仕様で品番の後に「X」があるものと無いもの、こちらも通常オリジナルといわれます。
もちろん人によっては違う意見もあるかとは思います。↓
次はエラー・カバー、シルク・プリンティングするのを忘れてしまったようです…と思ったら…
東海岸のオリジナルと比べるために2枚を並べてみます。
販売するんだったら枠付きが正しいですよね。(カバーがステレオになっていますけどお許しを)
久しぶりに裏面を見たときに気付きました。
3枚を比べた写真です。上から西海岸プレスオリジナル、東海岸プレスオリジナル、エラー・カバーになります。
白枠によりオリジナルにもともと記載されていた“WAR means WORK for ALL”他の文字が消えてしまっています。
本来のアート・ワークはこっちだったんですね!
自分は文字が消えていることなど全く気にしていませんでした。
さすがランブリンボーイズさん!よく見ている、おそれ入りました。
それにしても何も気にしていない自分にあきれます!
まあ気にしていなかったのは自分だけで知っている方は探していそうですが…
その後田尻さんからご連絡を頂きました。
「“WAR means WORK for ALL”の文字を消すためにシルク・プリンティングしたのかもしれませんね」とのこと、確かになかなか政治的な言葉ですのでヴァーヴは嫌いそうですね。
その文字は他に比べて薄く印刷されていることからヴァーヴもその事は気になっていたのでしょう。
そしてタイトルが目立たないと売り上げにかかわるという理由も付け加えて消させたのかもしれません。
まあ想像に過ぎませんが。
カナダ盤の裏ジャケを見れば真実が分かるかもしれませんのでカナダ盤をお持ちの方は是非チェックしてみて下さい。
ダウンタウンレコードさん主催の「FZ on Verve」で気になってちょっと書いてみました。
間違っているところもあるかとは思いますのでご存じの方はいろいろ教えて頂けると嬉しいです。
宜しく御願い致します。
お読みいただきありがとうございました。
田尻亘さん
ダウンタウンレコードさん
http://downtownrecords.jp/banana/
ランブリンボーイズさん
https://twitter.com/ramblinboys
にご協力頂きました。
ありがとうございました。
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