レコード屋などという仕事をしていると「この時代にどうしてレコードなんですか?」と聞かれることがあります。
「ただ単に音がいいからです」と答えると「えっ!嘘でしょ!」と大抵驚かれます。
そりゃそうですよね。普通に考えたって今はCDを超えてハイレゾの時代ですもの。
個人的には~70年代中盤くらいまでは当時のLPの音が一番良いのではないかなあと思っています。
ただ各国でマスタリング、カッティングも違うので一概にどの国が一番とか絶対レコードが一番とは言えないのですが。
先日、「フォーマットによる音の順位:78’s > 45’s, LP(Vinyl) > 俗にハイレゾといわれるもの > CD > mp3」というツイートをしたのですが「ハイレゾの方が音が良いですよ!」と言われたりしました。
そのツイートを読んで頂いた方、言葉不足でした。すみません。
確かに最新の録音はLPよりハイレゾの方が音がいいと思います。
機材も変化してきていますし、しかも今のフォーマットに合っています。
現在のオーディオも同様にそのフォーマットに合っています。
でも古い録音はやっぱり当時のフォーマットに合った物の方が音が良いと思います。
それは周波数帯域が広くてフラットというような理由ではありません。
50年代や、60年代に録音された音源のマスターテープって時間と共に劣化していくんですよね。
(それ以降のものだってもちろん磁気テープは劣化します)
古い物は数時間たつだけでと高域が僅かに劣化して、更に経過した時間と共に更に劣化していくんだと言う方もいました。
同タイトルで当時の原盤と最新のマスタリングされたアルバムを比較するとなにが一番違うかというといえば『空気感と実体感』なんです。
特に50年代のジャズに顕著だと思うのですがオリジナルやニア・オリジナルの盤にある「ふわっ」とした感じと特にアタック感のある高域の「クピーッ」と抜けるような痛快な実体感。
その『空気感と実体感』がマスターの劣化により減っていたり、無くなったりしてしまうんでしょうね。
やはりその『空気感と実体感』というのはリマスタリングによって最復元することが一番難しいところなのだと思います。
そんな理由で多くのレコードは現在発売のレコードよりも録音された時に一番近い時に発売されたレコードが基本的には一番音が良いと考えます。(もちろん違う物もありますよ)
33 1/3、45回転レコード以前のフォーマットである78’sは更に実体感が強くその音の良さにはビックリする程です。
78’sは過渡特性が良いからかななどと勝手に思ったりしていますがどうなんでしょうね。
もし機会がありましたらElvis Presleyなどの78’sを聴いてみて下さい。
あまりにも暴力的なパンク感に痺れることと思います。
オリジナルのレコードって本当にいいですよ!
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