誰がアルバート・アイラーを殺したのか? (Who killed Albert Ayler?)


ジャズ・ファンでなければアルバート・アイラーと聞いて、「誰?」と思う方も多いかとは思います。
彼は60年代を駆け抜けるように活動して70年にニューヨークのイーストリバーでその死体を発見されたフリー・ジャズを代表するサックス奏者。
さらに詳しく知りたい方はウィキペディアでどうぞ。

昔何かの本を読んだときには「変死体で発見された」と書かれていたと記憶していたのですが、現在では自殺、事故死、それとも他殺なのか…死因は不明となっています。

調べてみると気になるところはこの3つ。
1. 死の直前には自殺をほのめかしていたりしていた。
 ウィキペディアでは「同棲していたアイラーの彼女のメアリー・マリア・パークスが『自由の女神像のフェリーに乗って、船がリバティ・アイランドに近づいたところで川に飛び込んだのだ』と述べている」
これらが彼の自殺説の元となっていると思われます。

2. いなくなったのは11月5日、発見されたのは11月25日
 その間、彼の足取りは?

3. 警察は捜査せず数日死体安置室で放置。
 それはなぜか?


ちょっと前にアメリカで年輩のレコード・ディーラーのところでレコードを選んでいるときにアルバート・アイラーのレコードを抜いたら、彼が「奴は可哀想な死に方をしたよな」って言うんです。

「えっ!どんな死に方をしたの?」
「そうか、たいていそんなことは知らないよな。
大体ミュージシャンが若くて死んだとしたら薬かギャンブル、そのどっちかだ。
交通事故とかの事故死、それから病気は除くとして、まあそう言うことだ。
そう、彼は根っからのギャンブル好きだったんだよ。最後には大きな負けを取り戻す事ができず、ギャング達に小汚い冷蔵庫に詰め込まれてニューヨークのイースト・リバーに投げ捨てられたんだよ」


すべてが繫がった。

1. 死の直前には自殺をほのめかしていたりしていた。
 彼が自殺をほのめかすほど落ち込んでいたのは彼がもうすぐ殺されるかも知れないと思っていたからだ。
 メアリー・マリア・パークスが言ったことは彼を名誉を擁護するための発言だと思われる。彼が飛び込んだのを見ているのならば飛び込んだ日に警察に連絡しているだろう。
2. いなくなったのは11月5日、発見されたのは11月25日
 殺されたのがいつかはわからない。逃げたものの捕まって殺されるまで時間がかかったのかも知れないし、ギャング達にすぐに殺され、重しをつけた冷蔵庫に詰め込まれて川に投げ込んだものの、その重しがとれて浮き上がってきてしまったためかもしれない、ただ単にその冷蔵庫が岸に流れ着くのに時間がかかったのかも知れない。

3. 3. 警察は捜査せず数日死体安置室で放置。
 警察は死体がアルバート・アイラーだとは思わずにギャングかそれに近いものだと思い、その作業が後回しになってしまった。その為数日死体安置室に放置してしまった。
黒人だと言うことも理由のひとつかも知れない。

ネットで調べたのですがディーラーの言うようなことは一つも出てきませんでした。
それでもディーラーが言っていたことは真実か、真実にかなり近いのではないかと私は思っています。
でもそうは思わない人もいるでしょう。
まあそれはそれ、もうこうなると推理のようなものですから、今となっては真実を調べようと思う方もいないでしょうしね。
書いたことは悲しい話、「そんな事を書くなんて不謹慎だ」と言われればそうだと思います。でもジャズ・ファンの方だったらちょっと興味深い話じゃありませんか。
生きていたらどんな演奏をしていたんでしょうね。

追記 : 上の写真左上部のJet誌の死亡記事によると来日公演の準備もしていたんですね。

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