レコードの価格について



今回は「レコードの価格について」です。
「同じレコードなんだけどあの店では○○○円なのに、この店では●●●円、どうして値段がちがうの?」というお客様からよく聞かれる素朴な疑問について書きたいと思います。

私たちが扱っているのは中古のレコードですから基となるレコードの価格などという物はありません。
それぞれのお店がそれぞれの思惑でレコードの値段をつけます。

でもそのおおよその価格ってどこからやってくるのでしょう。
当然、レコードは商品ですので需要と供給の関係で決まります。
だから需要があるレコードの価格は上がるし、需要がないレコードの価格は下がります。

たいていのレコードは若干の幅がありますがおおよそ相場と呼ばれる価格の中に収まります。
この相場ってよく分からないですよね。
どうしてその値段なるのか、考えてみましょう。
例えば3000円の値札がついているレコードがあるとします。
お店側がなぜその値段にしたのか、考えかたは数通りに分けられると思います。
1. 他店では4500円くらいで販売しているけど、その店では売れ残っている。うちではそのジャンルが強くないのでこのくらいだったら安いと思ってお客さんの誰かが買うだろう。
2. 他店では2000円くらいで販売しているけどうちはこういうジャンルが強いから。ちょっと強気で売ってみようか。
3. この前店頭に2500円で並べたレコードが2日も経たないうちに売れた、安かったのかもしれないな、今回はこのくらいでチャレンジしてみようかな。
4. これくらいが妥当でしょ。
そんな感じでレコードの値段をつけていくとおおよその相場という範囲内に収まるんだと思います。
その前におおよそのレア度と人気度が分からないと話にはならないのですが…

そう、忘れていました。オークション・サイトや大型ネット・ショップなどで尋常じゃない値段がついているものがありますよね。
大抵は1500円程度で買える物に9800円とか12800円という価格をつけたりしている、相場に比べたらなんだかとんでもなく高いみたいな、あれです。
そう、それは釣りなんです。
大型サイトですので当然たくさんの人が見に来ますよね。検索でひっかけて、お金に糸目をつけずに買ってくれる人を待っているのです。
ですからそれらは相場とは無縁とお考え下さい。

先日、他のお店の方とちょっとしたレア盤の話になりました。
その●△×というレコードというのがちょっと傷ありの普通くらいコンディションだとすると通常自分がつける値段が3800~4800円位のものなんです。
「シュリンクがかかっていて綺麗だったら幾らくらいで売る?」と聴かれたので
「どうせ誰かが高く売ったんでしょ、う〜ん、10000円…最大で15000円位かな」
「甘いな、某店では60000円で売れたみたいよ」
自分が考える相場と、別の店で考える相場、お客さんそれぞれが考える相場は大きく違うとこともあるという例なのですが、それにしても凄いですね、売ったレコード店も、お客さんも。
ただその店でその値段で売れたからといって自分のところでその値段をつけられるのかというとちょっと違うと思います。
60000円という値段をつけて売れる、それはいいのですがそれを購入したお客さんが他のお店に行ったときに10000円~15000円くらいで同等のレコードが売られていたらそのお客さんがどう思うのだろうか、それを見たお客さんは2度と当店からレコードを買ってくれないんじゃないかと思ってしまうのでその値段はつけられないんですよね。

一時の利益に心を奪われて、お客さんが離れてしまっては仕事を続けていけなくなります。

私自身の考え方ですが値段をつける上で大事なことは「自分だったらこの値段で買いたいと思う」ということでしょうか。
自分のお店においてあるレコードの値段が他のお店に比べて高かったり、安かったりするとは思いますが「自分だったら買いたいな」と思う値段をつけています。

どのくらいの値段をつけるかは、仕入れの金額と共にレコード店を続けていくための生命線です。
よく考えて値段をつけましょう。
(「 考えなくちゃいけないのはお前だよ!」と言われている気がしますが…)

次回はいらなくなったレコード、CDは何処に売るのがいいのか?「中古レコード、中古CDはどこが最も高価買取をしてくれるのか」という事を書きたいと思います。

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